天国の福音書

信仰の醍醐味

 私は信仰の味について世人に告げたいのである。天下何物にも味のないものはない。物質にも、人間にも、生活にも、味の無い物はほとんどあるまい。人生からこの味を除いたら、文字通り無味乾燥全く生の意欲は無くなるであろう。従って人 …

天国の福音書

宗教は奇蹟なり

 宗教と奇蹟は切っても切れない関係にある事は、昔から幾多の文献によっても明らかである。もし奇蹟のない宗教でありとすれば、それはもはや宗教とは言われない。何となれば奇蹟は神が作るのであって、人間の力では一個の奇蹟も作られ得 …

天国の福音書

難行苦行

 信仰と難行苦行とは密接な関係があるように、昔から一般人に思われているが、元来難行苦行は古代インドのバラモン教が起源で、釈尊出現以前の印度は、ほとんどバラモン信仰がインド人の大半を占めていたという事である。かの達磨の面壁 …

天国の福音書

禁欲

 昔から立派な宗教家たらんとするには、禁欲生活をしなければならないように思われ、それが真理を悟り魂を磨く最良の方法とさえ思われていた。しかし私は反対である。以下分りやすく書いてみよう。  そもそも、森羅万象一切は人間の為 …

天国の福音書

解脱

 よく、昔から解脱という事をきくが、この言葉は簡単に善し悪しを決める事は出来ない。世間普通の解釈による解脱とは、迷いを去り悟りをひらくとか、執着をとるとか、諦めをよくするとかいう意味であって、これは無論仏教から出たのであ …

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天国的宗教と地獄的宗教

まず宗教について有りのままを書いてみれば、今日までのあらゆる宗教は、ことごとく地獄的宗教と言っても、あえて侮言ではなかろう。何となれば重立った宗教ほど、開教当時蒙った法難、受難に悩んだことは例外ないほどで、宗教に法難は付 …

天国の福音書

迷信邪教

 今日新聞、雑誌、ラジオ等、盛んに迷信邪教に瞞されるなという事を警告しているが、なっるほど迷信邪教は昔から絶えず輩出しているばかりか、今日は最も甚だしいようである。しかし全部が全部迷信邪教とは言われまい。その中の幾分かは …

天国の福音書

正邪の戦い

 これは誰も知っている事だが、昔から宗教というものは、いつの時代でも、初めどこか普通人と違ったところのある人間が、一念発起と共に世を救わんとの願望から一宗一派を立て、教義を作り、相当人助けをしてる内、ようやく世間から認め …

天国の福音書

東洋と西洋

 天地問あらゆる物に、陰と陽のある事は誰知らぬ者もない。そうして私はこの陰陽を経緯に分けてみるが、陽は経であり、陰は緯である。この経緯を左に分類してみよう。 経-日、火、東洋、霊、男、仏 教、赤、山、昼 緯-月、水、西洋 …

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大乗と小乗

 昔から大乗小乗の言葉がある。もちろんこれは仏語であって、仏教においても相当詳しく説かれているが、どうも、納得出来得るような説は私は寡聞の為か未だ聞いたことがない。これについて私見を書いてみよう。  まず一口に言えば、小 …

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