書籍

第三章 地上天国の様相

 応に此紫微実相世界にて 迦陵頻迦は空に舞ひ 瑞雲天に靉けば 万華馥郁地に薫じ 神殿玉楼聳り建ち 救世の神館霞みつつ 黄金の甍燦燦と 陽に照り映ず光景は 実にも天国楽土なり    大意  まことに、このような状態になるこ …

第四章 みろくの世の物と心の豊かなるありさまのこと

五穀稔りて蔵に充ち 漁豊に天ケ下 生とし生ける億兆の 歓ぎ賑はふ声々は 津々浦々に満ち弥 り国と国との境無く 人種等の憎しみや 争闘事も夢と消へ 一天四海*1おしなべて 大光明の御手に帰一され 仁慈御胸に抱かれん   大 …

(一)全文

高天原に神留り坐す 皇親神漏岐神漏美の命以ちて 八百萬神等を 神集へに集へ賜ひ 神議りに議り賜ひて 我が皇御孫今は 豊葦原の水穂国を 安国と平けく 知ろし食せと 事依さし奉りき 此く依さし奉りし 国中に荒振る神等をば 神 …

(二)前説

 神言については、総論にもちょっと触れたように、大祓詞(おおはらえのことば)とか、中臣祓詞(なかとみのはらえのことば)とか呼ばれてきた。これは藤原氏の遠祖である中臣家の時代以来唱えられてきた、古い歴史を物語るものであり、 …

 高天原に神留り坐す 皇親神漏岐神漏美の命以ちて 八盲萬神等を神集へに集へ賜ひ 神議りに議り賜ひて 我が皇御孫命は豊葦原の水穂国を 安国と平けく知ろし食せと 事依さし奉りき    大意  高天原においでになる男女二柱の御 …

第二章 騒乱の地上平定のこと

此く依さし奉りし 国中に荒振る神等をば 神問はしに問はし賜ひ 神掃ひに掃ひて 語問ひし磐根・樹根立・草の片葉をも語止めて 天の磐座放ち 天の八重雲を伊頭の千別きに千別きて 天降し依さし奉りき   大意  このように統治を …

第三章 宮殿御造営と罪の発生のこと

 此く依さし奉りし 四方の国中と 大倭日高見国を安国と定め奉りて 下つ磐根に宮柱太敷き立て 高天原に千木高知りて 皇御孫命の瑞の御殿仕へ奉りて 天の御蔭日の御蔭と隠り坐して 安国と平けく知ろし食さむ 国中に成り出でむ天の …

第四章 罪を浄むる神事のこと

 此く出でば天つ宮事以ちて天つ金木を本打ち切り未打ち断ちて千座の置座に置き足らはして天つ菅麻を本刈り断ち未刈り切りて八針に取り辟きて天つ祝詞の太祝詞事を宣れ   大意  このように多くの罪が発生したならば、高天原で行なわ …

第五章 神々罪を浄めたもうこと

此く宣らば天つ神は天の磐門を押し披きて天の八重雲を伊頭の千別きに千別きて聞こし食さむ国つ神は高山の末短山の未に上り坐して高山の伊褒理短山の伊褒理を掻さ分けて聞こし食さむ此く聞こし食してば罪と言ふ罪は在らじと科戸の風の天の …

第六章 祓戸四柱の神のお働きのこと

 高山の未短山の末より佐久那太理に落ち多岐つ速川の瀬に坐す瀬織津比売と言ふ神大海原に持ち出でなむ此く持ち出で往なば荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百会に坐す速開都比売と言ふ神待ち加加呑みてむ此く加加呑みてば気吹戸に坐す気 …