第四章 みろくの世の物と心の豊かなるありさまのこと

五穀稔りて蔵に充ち 漁豊<すなどりゆたか>に天ケ下 生とし生ける億兆<もろもろ>の 歓<えら>ぎ賑はふ声々は 津々浦々に満ち弥<わた> り国と国との境無く 人種等<ひとぐさたち>の憎しみや 争闘事も夢と消へ 一天四海*1おしなべて 大光明<みろく>の御手に帰一され 仁慈御胸に抱かれん
 
大意
 
 また大自然の豊かな恵みに、農作物も順調で、いろいろの穀物は蔵に満ちあふれ、魚介類も大漁続きで、天上天下すべての人びとのよろこび楽しむ声はくまなく国のすみずみまでも満ちわたり、国と国という対立した垣根もなくなり、民族と民族、人間同士の憎しみや争いも消えて、世界中が一家のように睦び合い、大光明真神様のお光のもとに集い寄り、その大いなる愛とみ恵みに包まれるのである。

*1一天四海
   天ガ下、四方の海、つまり地球上のすべてという意味。
   第五章 個人の倖せと結びの祈り

 吾等が日々の施業*1にも 妙智*2を賜ひ真覚を 得せしめ家は富栄え 寿<よわい>は永く無医薬に 尊徳行を重ねさせ 福寿海無量<*3ふくじゆかいむりよう>の大功徳 垂れさせ賜へ座<ましま>せと 念々従心下座頓首 跪伏礼拝願<ねんねんじゆうしんげざとんしゆきふくらいはいね>ぎ申す
 
大光明真神守<みろくおおみかみまも>り給へ幸倍賜<さきはえたま>ヘ                 二回奉誦

 おしえみおやぬしの神守<かみまもり>り給へ幸倍賜<さきはえたま>へ                 二回奉誦
 
惟神霊幸倍坐<かむながらたまちはえま>せ    二回奉誦

   大意

 さらに私たちの日々の職業、生活のうえにも、神様より智慧と力をいただいて、正しい人生指針が得られるのである。

 家もまた富み栄えるし、家族の人びとも健康に恵まれて、薬の世話にもならず長生きができるのである。また、善事を行い、人に施し、徳を積むことによって、より多くたくさんの御守護がいただけるようになるのである。

 どうか理想世界が一日も早く実現し、また、私たちも、そういう世界に住むことのできるような人間にまで、御守護のもとに向上させていただけますよう、心の底から大神様のみ前に、頭を垂れ、ひざまずいて、ただひたすらにお願いの祈願をさせていただくしだいでございます。

 大神様、教祖明主様、お護りくださいませ、私たちの魂の辛が幾倍にも増えますように。み心のままにみ恵みをお与えくださいませ。

*1施業
 
 わざ、なりわい、生活や職業のこと。

*2妙智
 
 ふしぎなすぐれた智慧のことで、御教えには、『観音妙智力などといい、神智に対し仏智ともいうべきものである』と示されているが、いずれにしても人間に備わった智慧ではなく、神仏よりいただく智慧のことである。

*3福寿海無量
 
「大慈大悲の観世音、福寿海無量の誓いのままに……」という  言葉もあるように、観音の福徳のきわまりないことを讃嘆した言葉であって、福は物、寿は寿命、無量ははかりれぬほどたくさんということである。