第1章 御用の人

集団浄霊

 總斎の行なう浄霊の力は比肩すべき者がいなかった。これについては總斎の浄霊を受けた者の話を聞くしかない。  人は總斎の行なう浄霊を受けた時は、電撃を受けたように感じるという。明主様の浄霊のほかには總斎の行なう浄霊のような …

切れ味鋭い浄霊

 一方でこんな証言もある。  それは、總斎の行なう浄霊をいただいてもその時は何も感じないという感想である。その人によると、總斎の浄霊よりも若い先生のほうがよほど変化もあり、感じ方も強いという。決して多くはないのだが、たま …

先祖供養の浄霊

浄霊による救済は生ける者だけに向けられたものではない。その患者に憑いた霊を救うための浄霊でもあった。總斎の行なう浄霊を受けた者の中では、脊椎カリエスの浄化で苦しんだ者が多い。これは、ご神縁に結ばれ、そののち教会で御用をさ …

厳しい顔・優しい顔

 浄霊に関してはこれほどまでに厳しい總斎であったが、しかしこの厳しさには、同時に信徒に対するいたわりと優しきが伴っていた。愛情があればこそ厳しくその人を育てようとするのであるから、厳しさと優しさは矛盾するものではない。例 …

總斎の人間愛

 誰に対しても自分が必要と思えば無理をしてでも飛んできてくれる總斎、どれほど教団の中で地位が上がり、一般の信徒からすれば雲上人に見えても、その雲の上から降りてきてくれる總斎であった。どのような大事、どのような些事であって …

浄霊というか“お道”

 ところで、總斎の浄霊のもう一つの側面に注目しておきたい。 總斎の行なう浄霊は、単なる人助けに終わっているわけではないということである。浄霊という救済の方法を用いながら、總斎は明主様のみ教えを多くの人びとに知ってもらい、 …

殺到する患者たち

 「ウーッ、苦しい。助けて、助けてください」  總斎の前に今運ばれてきた中年の女性は、朝から新宿・角筈の治療所で治療を受けるため、順番を待って並んでいたのだが、下腹部を急なさし込みにおそわれ苦しみ出し、“下浄霊(總斎の行 …

絶え間ない浄霊活動

さて実際の浄霊だが、總斎のもとで幾人かの男女の弟子たちが助手として手伝いをしていた。まず最初に助手の“下浄霊”が行なわれてから總斎が浄霊をするのだが、患者は相当の順番待ちの時間を経てやっと待望の浄霊となる。  普段は住居 …

奇蹟が生んだ忘れ物

 当時、新宿・角筈の治療所には杖の忘れ物が山ほどたまり、その置き場に困っていた。足が悪く杖に頼らなければならない人が、ようやくたどり着いた治療所で、たった一回の治療でたちどころによくなってしまう。その結果、急に自由に歩け …

人材の育成

 この新宿の治療所では、のちに總斎の補佐をして教団のために尽くした多くの信徒を生み出した。これらの信徒はのちに専従となり、ある者は教団本部の総長や幹部になったり、ある者は地方の教会長となったりして、布教の第一線で活躍する …