文明の創造

科学篇 医学の解剖

 私は前項までに、医学の誤謬を大体かいたつもりであるが、尚進んでこれから鋭いメスを入れて、徹底的に解剖してみよう。と言っても別段医学を誹謗する考えは寸毫もない。只誤りは誤りとして、ありのまま指摘するまでの事であるから、虚 …

科学篇 病気とは何ぞや(風邪)

 いよいよこれから病気についての解説であるが、現代医学の解釈は、人体を単なる物質とみなして、唯物療法を進歩させて来た医学は、どの点に最も欠陥があるかを、順をおってかいてみるが、それについてはまず、実際の病気を取上げて説明 …

科学篇 病気とは何ぞや(肺炎と結核)

 風邪と最も密接な関係ある病気としては、言うまでもなく肺炎と結核であろう。特に現在日本において、最も悩みとされているものはこれであるから、充分解説する必要があろう。そもそも肺炎と結核という病気の初因は、もちろん風邪からで …

科学篇 病気とは何ぞや(肺患と薬毒)

 現在の結核療法について注意すべき事は、今最も有効とされているものに気胸療法がある。これは肺に空洞のある場合、肺胞を萎縮させて出来るだけ縮少させようとして肺の活動を鈍らせる。つまり肺の安静法で、その為空洞の原因である濃度 …

科学篇 病気とは何ぞや(結核と精神面)

 結核について、割合関心を持たれていないものに精神面がある。ところが事実これほど重要なものはない。誰も知るごとく一度結核の宣告を受けるや、いかなる者でも精神的に一大衝撃を受け、前途の希望を失い、世の中が真暗になってしまう …

科学篇 病気とは何ぞや(自然を尊重せよ)

 医学特に結核患者に対しては、安静を最も重要とされているが、これは前にも述べたごとく大変な間違いである。ではどうするのが一番いいかというと、何よりも自然である。自然とは自分の身体を拘束する事なく、無理のないよう気ままにす …

科学篇 病気とは何ぞや(結核と特効薬)

 結核の薬位、次々と出るものはあるまい。近年になってセファランチン、ペニシリン、ストレプトマイシン等々、これ等は今随分もてはやされている。ちょうど何かの流行のようである。この様にそれからそれへと新薬が出るという事は、もち …

科学篇 栄養

 私は前項までに、薬剤の恐るべきものである事を詳説したから、もはやわかったであろうが、ここに見逃す事の出来ないのは、栄養に関する一大誤謬である。まず結核の項に動物性蛋白の不可である事を述べたが、こればかりではない、全般に …

科学篇 人間と病気

 近代医学においては、病原のほとんどは細菌とされている。したがって細菌の伝染さえ防げば、病にかからないとする建前になっているが、只それだけでははなはだ浅薄であって、どうしても細菌というものの実体が、明確にわからなければな …

科学篇 無機質界

 ここで、いよいよ細菌発生の原理とその順序をかいてみるが、そもそも細菌という有機物は、現在最も進歩した電子顕微鏡でも、六万倍迄しか見えないとされており、これが現在迄の限度ではあるが、無論極点ではない。いずれの日か顕微鏡の …