総篇 地上天国

 地上天国とはバイブルから出た言葉であり、仏教ではミロクの世といい、西洋ではユ─トピヤなどというが、もちろん意味は同一であって、つまり理想世界である。これがさきにかいたごとく神の目的であるから、現在までの歴史はその世界を造る過程であったので、いく変遷をへてようやく天国の一歩手前に来たのが現在である。この世界を一口にいえば、病貧争絶無の世界である。ところがこの三大災厄の中の王座を占めているのが病気であるから、病気さえ解決すれば、貧乏も争いも自ら解消するのは、言をまたないところである。

 前述の意味において、私は病気について根本原因を、あらゆる面から徹底的に解剖し明かにするのである。しかもこれは医学と異って、人智によって生れた学問上の研究理論ではなく、神の啓示を土台とし、実験によって得たる真理であるから、わずかも誤りはないのである。そうして実験とは今日まで何方に上る私の弟子が、毎日何十万に上る患者の治療に当っており、その治癒率の素晴しい事は、医学の一に対し百といっても、決して過言ではない程である。

 右のごとく驚くべき治病の実績が、この地球上に出現したにかかわらず、全人類は治る力のない医学を無上のものと誤信し、病苦に悩み、長く生きられる生命を中途に挫折してしまうその無智悲惨なる現状は、到底黙視出来ないのである。この様な末期的惨状を神として、そう長く放任して置けないのは当然である。という理由と来るべき理想世界の住民としての健康人を作らんが為との二つの理由によって、ここに医学の迷盲を発表するのである。

「文明の創造(未発表)」 昭和27年01月01日

文明の創造(未発表)