大愛ゆえの厳格

 明主様はいつも家族の者、またお側で働いている者に対して、非常に厳格でありました。

 何事によらず、依怙や曖昧さということは許されなかったのです。ですから失敗しますと、実にハラハラするように叱られたものです。あんなにまで言われなくてもと思うこともありました。

 しかしその反面に、実に暖かい愛情を腹の底に持たれていて、その者を早く一人前に仕立ててやりたいという、大きな愛情があったですから、たとえ叱られておりましても、それが相手の胸に通じますから、その時は沈んでおりましても、まもなく立ち直って、かえって叱られたことを、〝お叱りを受けて来た″と喜んでいたものです。そうして、一層御用に専念するというふうでありました。