慈母のあたたかさ

 まことに明主様は、厳父としての一面を備えていられるかと思うと、またやさしい、なんともいえない慈母のあたたかみを備えていられまして、近寄る人のすべてに何かしら一生涯忘れえない、あたたかい何物かを残していかれた方でございます。
 
 いまもなお私の耳に残っている、あの歯切れのよい江戸っ子弁、それからまた、バーナード・ショウを気取って皮肉な滑稽、諧謔が口をついて出た、ああいった思い出のほんとうにひとつひとつが、まざまざと甦って来てなつかしさに堪えないわけでございます。