總斎から学ぶ

 總斎の行なう浄霊の力はたいへん強いものであった。このことは總斎に浄霊を受けた体験者が口を揃えて伝えるところである。弟子たちではどうにもならない重病人であっても、總斎がほんのわずかな時間浄霊するだけで、患者はまたたく間に治ってしまうことがよくあったのである。

 明主様に出会うまでに、總斎は信仰を求めて解脱会に入会していた。また、解脱会の修行だけでなく、自分自身で毎日水垢離<みずごり>を取ったり、毎朝神社に素足で参拝したり、常時、滝行を行なっていた。このように、日頃から自身の霊性の開発に磨きをかけていたようである。こういった本教入信前の修行が浄霊を行なう場合に大いに役立ったことは言うまでもない。そればかりではなく、人間に対する洞察力、また予知能力にもたいへんすぐれた力を発揮した。

 明主様が危篤状態にある患者に対して、前額部天帝から「おひかり」を放射して浄霊をされたことはつとに知られていたが、總斎もまた新宿治療所時代の初期から、天帝から光を放ち多くの人びとを治療していた。これは霊的な能力が高度に開発されていなければできないことである。眼病やおでき、痔など、浄霊を行なう箇所がはっきりしていてかつ重症な場合に、總斎は主に天帝から光を放射しての浄霊をしたという。總斎の浄霊力についてのエピソードは豊富だが、さまざまな症例に対してどのように対処してきたのかは、それぞれの事例を具体的に顧みる必要がある。

 しかし、単に事例ばかりではなく、總斎の浄霊中の弟子への講義や浄霊にかかわる考え方についても留意すべきであろう。總斎は自分自身のことを含めて、書き残したものはほとんどないのであるから、これらの実例をいわば“浄霊の講義”と受け止め、私たちは今一度總斎の浄霊について学ぶことが必要である。