世界救世教奇蹟集 結論

 今度『世界救世教奇蹟集』なる本を出版する事になったので、左の結論は大いに参考になると思うから、ここに載せる事にした。

世界救世教奇蹟集

結論
 私は以上のごとく百二十に上る色々な奇蹟の実例を載せたが、これを見たらいかなる人でも驚異の眼を瞠<みは>らない訳にはゆくまい。一言にしていえば、これこそ最高神威の表現であり、空前の救世的福音である。なるほど小奇蹟は昔からその時代時代の宗教によって示されている事は、文献等によっても明らかであるが、これ程超奇蹟が数多く、しかも普通人でも短時日の修得によってその力を与えらるるとしたら、この事自体が已に大なる奇蹟である。すなわち凡人でありながらキリストと同様の奇蹟を顕わし得たり、何等医学の素養のない者でも、医学博士以上の治病力を発揮出来るとしたら、到底真実とは思えないであろう。ただ私が憂慮する点は、私という人間を通じて行われる以上、余りの不可解さに反って一種の疑問が起り、躊躇逡巡する人もなきにしも非ずと思うからである。

 次にこの著を読んだ人々が、最も知りたいと思う事は私という人間の本体であろう。私といえどもこれを詳しく知らしたいのは山々だが、時期尚早のため今しばらくは発表出来ないのが遺憾である。そうして特に言わねばならない事は、客観的にみてこれ程偉大な神力を発揮されるとしたら、救世主以外にない事は推察されるであろう。これについては昔から俺は救世主なりと自分自身そう思うのかも知れないが、堂々と名乗りを挙げた者も幾人かはあったが、いずれも一時的で、いつしか消えてしまったのは知る人は知っているであろう。しかもキリストの予言にもある通り、後世偽キリストが現われるから注意せよとの警告さえあったほどで、今日ではもはやそれに惑わされる者は一人もあるまいから、今更自分は救世主などと言ったところで仕方がないであろう。

 しかも文化の進歩した今日智性の発達した現代人に向っては、ただ嘲笑を買うのみにすぎまい。しかしながら厳乎たる事実を見せられるとしたら、何人といえども信じない訳にはゆくまいし、私が現わす奇蹟そのものは、いかに冷静に見てもメシヤ的価値は充分認め得る筈である。この意味において私を以て救世主又は再臨のキリスト、下生の弥勒としても敢て不思議はないと思うが、それはその人の自由に委せるとして、最後に到れば万人に分る筈である。それは世界人類は私の救いによって真の幸福を得られ、欣喜雀躍<きんきじゃくやく>はもちろん、既成文明は百八十度の転換となり、病貧争絶無の地上天国はいよいよ出現の順序となるからである。
(明主)

「地上天国49号」 昭和28年06月25日

S28地上天国