科学篇 主なる病気(腎臓病とその他の病)

主なる病気
 私は、人体の重要なる三大機能の大体をかいたが、これから主なる病気について解説してみよう。

腎臓病とその他の病

 腎臓は体内機能中、三大機能に次いでの重要なる役目をしているもので、これは医学でも唱えるごとく、一旦腎臓へ集溜されたる液中から、貴重なるホルモンを抽出するとともに、廃物液体である尿は膀胱へ送られるのである。ところが厄介な事には、腎臓が完全に活動されるとしたら右の通りであるが、実際上幼児から少年、青年、壮年と年を重ねるにしたがって、漸次働きが鈍るのが通例でその原因は腎臓が萎縮するからである。ではなぜ萎縮するかというと、腎臓が前述のごとく、必要なものと不必要なものとが分けられる場合、右の二者以外の異物が混る場合がある。この異物こそ言うまでもなく薬毒であって、これがどう処理されるかというと、ホルモンにも尿にもならないので、腎臓の表皮を滲透して、背部腎臓面に浸出しわずかずつ溜るのである。それが固結し腎臓を圧迫するから、腎臓は漸次萎縮し、ホルモン産出は減少する(不感症はこの原因が多い)とともに尿の処理も鈍化し、その幾分はこれも外部へ浸出するから、薬毒に追加され、両毒合しかして毒結はいよいよ増大する以上、脊柱の両側に溜り上向延長しつつ、ついに肩や頸の辺まで及ぶのである。肩や首が凝るのはこれであって、面白い事にはこの両毒結を判別する事が出来る。すなわち患部を押せば薬毒の方は固くて痛み、頑固性であるが、尿毒の方はやや柔軟でほとんど痛みがない。そうして毒素はついに頭脳内にまで進入するので、その結果浄化が起るそれが頭重、頭痛はもちろん、脳膜炎、日本脳炎、脳脊髄膜炎、脳溢血等、すべての脳疾患である。この頭脳内の毒素の有無を知るのははなはだ簡単で、頭脳に手を触れてみれば直ぐ分かる。すなわち少しでもあたたかみがあれば毒素のある証拠で、温い程毒素が多い訳だが、現代人で無熱の人は恐らく一人もあるまい。

 そして前頭部に囲結した毒素の、急激強烈な浄化が脳膜炎であり、この病気が児童に多いのは、浄化力が旺盛であるからである。すなわちこの病気は高熱とともに、前頭部の激痛と目が開けられないのが特異性で、これはまぶしいのとめまいとの為である。しかしこれも放置しておけば、毒結は溶解し涙、鼻汁等になって排泄され、完全に治るのである。しかも予後病気以前よりも頭脳明晰となり、児童などは学業の成績も優良となるので、これは医師も一般人も意外に思うのである。ところが医療は、氷冷等で固める為、一旦無熱となり、治ったようでもその固結が機能の活動を阻害し、痴呆症や、その他種々の不具的症状を表わすのである。

 その他として、かの日本脳炎であるが、これは統計によるも五歳から十歳まで位が、最も多いとされている。これによっても分かるごとく、夏日炎天下に帽子も被らないで遊ぶ場合、脳は強烈な日光の直射を受けるから、その刺激によって背部、肩等にある毒素が頭脳に向って集中を開始する。その際一旦延髄付近に集溜するので、その部に手を触るれば棒状の固結を見るが、それが高熱によって溶解、後頭内に侵入するや、非常にねむくなるのである。ところが医療は氷冷で固めるから、予後脳膜炎と等しく、種々な不具的症状を残すのである。しかしこの病気も放置しておけば、後脳内に入った毒素は、頭脳を通過して目及び鼻口から、血膿となってさかんに排泄され、出るだけ出ればそれで完全に治ってしまうのである。まず全治まで一週間とみればいい。しかも予後脳膜炎と同様、児童などは非常に学校の成績が良くなるのみならず、初めから生命の危険などは絶対ないにかかわらず、死ぬというのは全く氷冷等の、誤れる逆療法を行うからである。そうして日本脳炎は夏期罹病するに対し、冬期に起るのが脳脊髄膜炎である。これは日本脳炎と同様、延髄付近に毒素が棒状に固結するが、これは夏とちがい日光にさらされていないから、中途で止まるという訳である。この病気の特異性は右のごとき棒状の為、首は前後に動かず、ちょうど丸太棒のような形でよく分かるのであるが、この経過も日本脳炎と同様であるから略す事とする。

 次に脳疾患の外の種々の症状を詳しくかいてみよう。

 前述のごとく萎縮腎の為、頭部に向って進行する毒素は、延髄付近にも固結するので、眼球に送血する血管が圧迫され、眼は貧血をおこす事になる。つまり眼の栄養不足で、その為視力が弱り、遠方迄見得る力が足りない。これが近視眼の原因である。何よりも右の固結を溶解するにしたがって、近視眼は全治するに見て明かである。乱視も同様の原因であるが、只乱視の方は、浄化の為人により固結状態が絶えず動揺し、血管を不規則に圧迫する為、視力も動揺するからである。又内障は眼底に毒素が溜結し、視神経を遮断するから見えないのである。白内障、緑内障は、眼球そのものに毒素が固結するので、これも放置しておけば自然に溶解し全治するが、医療は点眼薬や眼球注射等を行うから、この薬毒の為毒素は固まってしまい、治るべき眼病も治らない結果になるのである。そうして全ての眼病は、頭脳に集溜した毒素が、出口を求めて眼球から排泄されようとし、一旦眼球に集中し、再び溶けて膿、めやに、涙等となって出るのであるから、放任しておけば長くはかかるが、必ず治るものである。又トラホ─ムは頭脳の毒素がまぶたの裏の粘膜から排泄されようとし、発疹となって排膿されるので、これも自然に簡単に治るものである。

 次に鼻に関する病であるが、鼻茸<鼻ポリープ>、肥厚性鼻炎、鼻カタル等は、いずれも頭脳の毒素が一旦鼻の両側、鼻の奥、鼻口等に集溜し、排泄されるのであるから、これも自然に治癒すべきを、医学は種々の逆法を施す結果、治らない事になるのである。又中耳炎は耳下腺及びリンパ腺付近の毒結が高熱により溶解穿骨し、一旦中耳に入り、鼓膜を破って排泄されるそれらの痛みであるから、これ等も二、三日そのままにしておけば、順調に治癒されるのである。

 次に扁桃腺炎であるが、これもリンパ腺付近の毒素が、日を重ねるに従い、扁桃腺に固結し高熱によって溶解、粘膜を破って排泄されるというごく簡単な浄化作用で結構なものであるが、医学はルゴ─ル等の塗布薬を用い、浄化を妨害するのでこじれるとともに、ついに膨大し手術の止むなきに至るのである。ゆえに読者諸君はこころみに、今度扁桃腺のおこった場合、何もせず放っておいてみられたい。すると短時日で順調によく治ってしまうばかりか、起るごとに段々軽くなり、ついに全治するのである。これは私が慢性扁桃腺炎を治した経験と、多数の人に教えた結果、例外なく根治したにみても確実である。

 ここで面白い事がある。それは多い病気とは言えないが、割合厄介なものに歯槽膿漏<しそうのうろう>があるが、これもリンパ腺付近の毒素が、歯茎を目掛けて集溜し、血膿となって排泄されようとする一種の浄化であるから、私はこんな汚ないものはないというのである。それは元々尿の古くなったものが、口中から出る訳だからである。これを治すのは訳はない。歯茎を固いブラシで摩擦すれば、血膿が出るだけ出て、それで治ってしまうものである。

 右によっても分るごとく、最初に述べた風邪の原因である肩から上に固結する毒素は、全て腎臓が元である事は明かである。としたら風邪も結核も肺炎もほとんどの病気は腎臓萎縮が原因である事がわかったであろう。ところがそればかりではない。肋膜炎も、腹膜炎も関節リョウマチも神経痛も婦人病ももちろんそうであり、カリエスも、肝臓病も、黄疸も、糖尿病も、胆嚢、腎臓、膀胱内の結石も、喘息も、中風も、小児麻痺も、精神病もそうである。としたら実に腎臓萎縮を起さないようにする事こそ、健康の第一条件である。以上の病気は順次説く事にするから、それを読めば尚よく分かるであろう。

 この理によって、腎臓を完全に働かせる事が肝腎で、それには腎臓萎縮の原因である固結を、溶解除去するとともに、作らないようにする事である。ところが現在のいかなる療法によっても不可能であるが、独り本教浄霊によれば可能であるから、この一事によっても、病なき世界は期待して誤りないのである。

「文明の創造(未発表)」 昭和27年01月01日

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