『地上天国』二十号-巻頭言

 いよいよ、世界は無気味の空気が濃厚となって来た。もちろん第三次大戦の不可避である事は、誰が目にも疑い得なくなった。といっても今直にそうなるとは思えないが、時の流れはなかなか油断は出来ない。そうして米国初め連合各国の軍備は、ろくろく出来ていないので、ソ連の軍備に比較したら、非常な懸隔があるであろうから、どうしてもある程度の時を稼がない訳にはゆくまい。それが為何とか外交手段によって、一日でも引延ばそうと懸命になっているのが、昨今見られる通りの国連会議である。

 もちろん、ソ連といえども充分の上にも充分の戦備を整えなければならない以上、連合国程でないまでもやはり時を稼ぐ必要があろう。この様に双方で時を稼ぐとしたら、結局どうなるかである。言うまでもなく遅れれば遅れる程、戦備が充実するからイザ戦争となるや、それだけ大きくなるのはもちろんである。全く怖るべき危機はいやが上にも増大しつつある。

 しからばこの空前の大禍乱を前にして、われわれ救世の大使命を担っているものとして、今後どうすればいいかという事が、痛切な問題であろう。言うまでもなくかくのごとき不安の渦中にありながら、有難い事には我々は前途の見通しがついているのみか、最後の土壇場に到ってメシヤ降臨という輝しい期待をさえ抱いているのである。そうしてメシヤ降臨は何を意味するかというと、もちろん人類を救わせ給う古来からの約束である。としたらここに一大奇蹟が顕表われるに違いない事は、絶対確信している我等である。

 いわゆる、それが最後の時であるとしたら、その千載一遇の秋に当って、神の僕として奉仕の光栄を有するわれらの多幸は、感激の言葉はないのである。

「地上天国20号」 昭和26年01月25日

S26地上天国