霊科学

霊科学

 私は前項までにおいて、私が創成したところの新しき医術について概略解説したつもりである。しかしながら尚徹底するには、霊及び霊界に関するあらゆる事象を一通り知らねばならないから、順次述べてみよう。

霊波と霊衣

 私はさきに治病力としての神秘光線について説明したが、ここに今一層詳説してみよう。  人間の霊体は肉体と同様の形態を有しているが、ただ異る所は霊体には霊衣なるものがある。洋語ではアウルという。それは霊体から不断に一種の光 …

罪穢と病気

 罪穢と病気の関係については、宗教方面において多く唱えられてきた。これは事実であるが、私は霊的医術の見地から説くつもりである。  前項に述べたごとく、人は悪を想い悪の行為を累ねるに従って漸次曇が増量する。しかるに曇の濃度 …

神仏はあるか

 私がこの偉大なる医術を発見し得たという事は、霊の実在を知り得た事がその動機である。すなわち霊を治療する事によって体の病気が治るという原理であるがこれは、将来の文化に対する一大示唆と観ねばなるまい。実に科学の一大革命であ …

未知の世界

 我々が生を保ち、呼吸しつつあるところのこの世界は物質界であり、第一世界であるが、人の死するや、霊界なる未知の世界–すなわち第二世界の人間となるのである。この未知の世界は眼に見えず捕捉する能わず、無となんら異 …

生と死

 人生死の問題ほど切実なる問題はあるまい。ゆえに死及び死後について幻想的でない実証的の解説を得たならばこれほどの喜びはないであろう。私はこの問題に対し霊的事象の研究から得た成果を発表し、あまねく世人に知らせ、蒙を啓きたく …

幽霊はあるか

 昔から幽霊の有る無しについては、諸説紛々として今よって決定しないが、私は有りと断定する。何となれば実際あるからである。有るものを無いとは何人といえども言えないであろう。彼の釈尊の説いた地獄、極楽説もダンテの『神曲』にお …

霊界の審判

 そもそも人間は、現世において人類社会の為与えられたる天職使命を完全に遂行すべきであるに拘わらず、そのほとんどは事物の外殻のみを見、不知不識のうちに悪に属する行為を重ねる為、それが罪穢となって霊体に曇が堆積する。したがっ …

霊界の構成

 前項に述べたごとく霊界は天国、八衢、地獄の九段階になっており、その段階の差別は何によるかというと光と熱である。すなわち最上段階は光と熱が最も強く、最低段階の地獄は、暗黒と無熱の世界であり、八衢はその中間で現界に相当する …

顕幽不離

 人間は死後といえども、現世における一切はそのまま持続するので、死の苦痛といえどもそのまま持続するのである。これについての一つの実例をかいてみよう。  以前私の部下に山田某という青年があった。ある日彼は私に向って「急に大 …