喘息に関しては、医学では全然判っていないのである。というのは医学における喘息の説明は、ほとんど問題になっていないからである。ヤレ、アレルギ─疾患だとか、迷走神経の緊張だとか、神経過敏性とか、そうかと思えば食物とか、土地とか、中には部屋の構造、壁の色まで関係があるというのだから、おかしな話である。したがってなるべく詳しく説明してみよう。
医学でもいうごとく、喘息は大体二種ある。気管支性と心臓性（近来この方はアレルギ─性ともいう）とである。まず心臓性からかいてみるが、これは最初横隔膜の外部に、薬毒が固結するのである。それに浄化が起るや微熱によって溶解、液体状となり、肺へ浸潤して喀痰となって出ようとするが、この場合横隔膜部は肺臓から距離があるので、液体の方から浸潤する事が出来ない為と、肋間に毒結のある場合浄化によって液体となったが、人により肺膜の厚い場合容易に浸潤し難いので、肺の方から最大限に拡がり吸引しようとする。そのように大体右の二つの原因であるという訳は、肺はその様な猛烈な運動の為、肝腎な空気を吸う力が減殺されて、窒息状態となるのである。何よりもその際肺に侵入した毒液が、咳とともに痰になって出ると、発作は一時楽になるという事や、又肺炎にかかると一時快くなると言われるが、これは高熱の為固結が溶解され、痰になって出るからである。右の理が間違っていない事は、何よりもまず心臓性喘息患者の、横隔膜部を指で探れば、必ず固結を見る事である。
次に、気管支性喘息であるが、これは肋骨付近に固結している毒結が、浄化によって少しずつ溶けるので、それをヤハリ肺の方から吸引しようとして肺臓は猛烈なポンプ作用を起す、それが咳であるから、これによって痰が排泄され、一時快くなるのである。しかし痰の量が多く出れば出る程、短期間に治るのであるが、それを知らない医学は、極力固め療法を行うので、少しずつしか痰が出ないばかりか、薬毒も追加されるのとあいまって、治り難くなり、慢性となるのであるから、丸でざるへ水を汲んでいるようなもので、人により何十年も苦しんで治らない者はそういう訳である。これを考えたなら患者も医師も、実に気の毒の一語に尽きるが、何とか分らしたいと常に思っているのである。