外国の天文学者は、余程前から火星に生物が居るとか、運河があるとかいう説を唱えていたが、私は以前火星には生物はなしと記<か>いた事がある。ところが近頃になって火星無生物説を唱える学者もボツボツ出て来たので、私は愉快に堪えないのである。という訳でまだまだ現在の天文学は幼稚極まるものと私は思っている。ところが近頃は月の世界への旅行可能として、準備している物好きな学者がいよいよイギリス辺りにあるそうだが、これなども実に気の毒な位低級な学者達である。
ここででそれらについて少しかいてみるが、この大宇宙には、地球以外に生物は決して生存していない事を断言する。そうして月の世界はいつもいう通り氷の塊りであって、その冷さは到底零下何度などと人間が想像出来るような生易しいものではない。全く絶対無極の大氷塊である。だからもし人間が行けたとしても、一瞬にして石のごとく氷結してしまうと共に空気など一粍もないところの無と同様な世界であるから、まず諦めた方がよかろう。という訳で望遠鏡に映る種々な凹凸は氷塊の不規則な一面である。ついでだから太陽も説明してみるが、これも想像もつかない程の巨大な火の塊りであって、謂<い>わば火の霊であり、火の体は地球の中心になっている火の塊りである。つまりこの天と地とにある火熱が、氷塊である月球を溶解し、水素を造って地球活動の役目をしているので、海も、川も、雲も、霧もその変化したものである。そうして星は地球を牽引しつつ、星自体の霊気を宇宙線を通じて地球に供給し、地球の活動を助けているのである。
以上の理によって現在学者が誇りとしている天文学なども、まず原始時代に毛の生えたものと思えばいいので、全く唯物科学ではこの謎を解くなどは痴人の夢である。ところがいつもいう通り、現代科学は独り天文学ばかりではない。医学も農業もあらゆる文化も右と同様の程度であるから、その盲点を明かにして科学のレベルを引上げるべく、私は現在骨を折っているのである。