特性をいかして真理の具現

 日ごとにいただく神様のご恩寵<おんちょう>に対しての感謝は、言葉や想念だけにとどめておくものではなく、必ずや感謝の行動となって現<あら>われねばならぬものであります。だから、信仰者に奉仕はつきものです。奉仕することによって、より信仰が深められ、強められ、自然に善徳<ぜんとく>も積<つ>むことになるのです。徳を積めば徳相応の物質も与えられるものゆえ、人間は徳さえ積めば絶対に一生困ることにはならないものです。物を積んでも神様が許さなければ、大震災<だいしんさい>のようにして、一度に奪<うば>ってしまわれ、神様の手に帰ってしまいます。神様からほんとうに与えられたものがわれわれの永久の持ち物になるのです。こういう誠の徳を積まなければいけません。これが幸福の根本なのであります。この原理を知れば安心して世のため、人のためにつくせます。

 現代人はこの真の道理を知らないから、自分の田に水を引くことばかりやり、他人を傷<きず>つけ、世を毒する結果、報<むく>いとして自<みずか>らも苦しんでいるのです。こんなつまらぬことはありません。本教人は御教えによって真の理をさとることができ、そのうえ、神力をいただいて真理を具現していくことができるのですから、幸福このうえなき身のうえであります。この幸福を世の人びとに分かち、手を引き合って世界の浄霊を急ぎたいものであります。

 真理はわかって見れば簡単<かんたん>ですが、真理具現の方法は複雑です。そのために指導者がつけてあるのですから、指導者に従うのが一番よろしいのです。さらにわからないことは、指導者のもうひとつ上の指導者に聞いてただせば、わかるようになっていますから、安心して順序に従い、統一を乱さぬ枠内で、自由に創意<そうい>くふうして、最善をつくすよう心がけ、最前線に立ってもらいたいと思います。創造は青年のみなさまのもっとも得意とするところでしょうから、多少はみ出すくらいの意気をもって、本教育年らしく救世的活動をしてもらいたいものであります。