人類の歴史<れきし>は、そのまま天地開発<かいはつ>の歴史でもありまして、大自然の山川草木<だいしぜんさんせんそうもく>も、人間の力なしには今日の進歩繁栄<しんぽはんえい>は、おそらくみられなかったでありましょう。やはり、人間あっての自然、自然あっての人間であり、持ちつ持たれつの大自然の関<かか>わりこそ、この世を創られた神様のご意志のあらわれであることを、さとらねばならぬと思います。
万物の霊長<れいちよう>である人間は、どこまでも神様の御心<みこころ>を人間の心として、天地万有が保有<ほゆう>している天賦の能力<てんぷのうりよく>なり特性<とくせい>なりを、充分に人力を加<くわ>えて発揮させるように努<つと>め、これを人類全体の宝として、融通和合<ゆうずうわごう>していかねばならぬのであります。これが最も正しい、人間としての役目<やくめ>なのであります。
これこそ、神様が人間を神様の代行者<だいこうしや>として造られ、地上各地に配置<はいち>され、神人和楽<しんじんわらく>の地上天国を、造ろうとされたゆえんでありますから、ご神意のままに人間が行動<こうどう>していけば、この世は天国になるように仕組まれている、と申してもよろしいのであります。