鍛練なしに向上はない

ほんとうに役に立つ人間となるには、厳<きび>しくしつけるべきところはしつけ、また、ねぎらうところはねぎらい、楽しますところは楽しますことが大切で、これが人間づくりの秘訣なのであります。ですから、厳しいところを持つということは、非常にありがたいことではないかと思います。これからはやはりほんとうのやり方に、だんだんなっていきたいと思うのであります。

 なんでも子どものしたいまま、ずんだらにさせておけば、子どもはどうしてものらくらな方向<ほうこう>へいくに決<き>まっています。ですから、鍛練<たんれん>なしには向上していかないということを、はっきりと知っていただきたいのであります。真の親心というものは、けっして子どもをずんだらにしてはおきません。やはり、しつけていかなければなりません。

 要は伊都能売<いずのめ>の片寄らぬ道をいき、厳しくすべきときは厳しくし、ゆるやかにすべきところはゆるやかにして、神の愛にかようようすべきであります。