昭和二十九年一月一日御講話(3)

そこで、これで、箱根と熱海を連絡する十国峠の道路を、どうしても広い道路にしなければならないので、一〇メートル以上、二〇メートルぐらいの大道路を作るつもりです。これは駿豆鉄道<すんずてつどう>も去年話をしたことがありますが、向こうは営利会社で算盤<そろばん>ばかりとってますから……もっと小さな規模で、ケーブルカーに熱中していて、私の地所を譲ってくれと言ってきましたが、そういうようなわけで……会社では駄目ですし、県では金がなくてできないし、国家はなおさらそうですし、そうかといって個人でやる者はないのですから、どうしても私がやるよりないのです。日本で一番肝腎なのは箱根、熱海ですが、これをもっと改革しなければならないし、また自然にそういうふうになってきます。これほど交通が至便で良い所は日本中にないです。いまここから強羅まで行くのに一時間かかりますが、これは道路さえ良くなれば、半分の三〇分で行けます。端のほうだとすると、もっと早く行けます。ですからこれはどうしでもやらなければならないのです。入場料が予定どおりに入ればそれをやりたいと思ってます。そういうようなわけで、ようやく救世教が、「ふつうの宗教とは違う、これは本当にたいした仕事をする宗教だ」ということがだんだん分かるようになると思ってます。そういうふうになってからが、浄霊医学だとか自然農法ということが……「これだけのことをする宗教だからたしかにこれは本当に違いない。これだけの金はどうして集まるか」というと、「それはさんざん病院に行って命がなくなるというところを助けられた、その感謝でみんなが金をあげ、その金でこれだけの立派なものができる」とすると、「なるほど、そうするとこれは本当だ」ということになって分かるのです。そうなるとこっちの目的どおりにゆくわけです。そういうふうな順序にするという、神様のやり方は、実にたいしたものだと思ってます。

「『御教え集』三十号、岡田茂吉全集講話篇第十二巻p103~」 昭和29年01月01日