教集24 昭和二十八年七月十六日(4)

 この前結核は衰弱をさせないことと、それには肩を柔らかくすることを話しましたが、無論肩を柔らかくすることが一番食欲が出ますから、胃病でも心臓病でも非常に結構なのです。心臓病は左の肩が凝ってますから、この肩を柔らかくするとまず治ります。それから他のいろいろな病気などもそれによってよくなります。いまどんな人をみても頸のまわりと頭にありますが、これはいつも言うとおり毒素が肩に溜まって固まり、それが頭を使うと頸のまわりから頭に移行してそこに固まるのですからして、ちょうど肩が頭の一つの入口です。ですから入口をゴミだらけにするようなものです。門の所をよく掃除しないから、風が吹いてゴミが室内にはいってくるようなものです。それから肩は上半身と下半身のつなぎ目になっているわけです。それで肩を柔らかくするということが一番肝腎なのです。そうして男の場合は肛門ですが、女は前にもう一つ穴があります。そこで頸から頭の毒が溶けると、下から出るのです。だから女のコシケなどもだいたい頭から下がるのです。他からも下がりますが、それは少ないので、大部分は頭からです。それから男のほうは赤痢、痔ですが、痔はほとんど後頭部です。それからもう一つ肝腎なことは、女というものは割合にヒステリーなどが起ります。憂鬱的になるのです。イライラするとか、頭が重いとか、頭が晴れ晴れしないということは、女は男よりか自由のないということもありますが、しかしイライラするということは、だいたい夫の仕向け方が大いに原因してますが、しかし夫の仕向け方というよりか、妻君が機嫌良く夫に尽くすということによって非常に違うわけです。ところが妻君が不承不承に扱うとか、イヤイヤお役でやるようなことだと、亭主もおもしろくないということが、夫婦間のことについても大いに影響し、その原因はどこにあるかというと、そういう女の人は必ず前頭部に熱があります。前頭部に熱があるとイライラするのです。ところが前頭部に熱があるということは、そこに毒があるのですが、この毒というものはどこからかというと下からです。ですから前頭部を浄霊するとともに、下の陰部も浄霊しなければならないのです。陰部を浄霊すると前頭部の熟も冷めます。そうすると気持ち良くなります。しかしみんなここに気がつかないのです。これは浄霊ですから離してやるのですからなんでもありません。ですからそういう場合には、頭をやるとともに下のほうもやるということを心得ておくのです。そうすると効果が倍になります。それから頭の中心に非常に毒が溜まりやすいのです。いつも言うとおり、後頭部は感情、前頭部は理性ですが、ここはその真ん中になってます。だからここをやるということは必要です。それからよく頭の芯が痛いとか、芯が気持ちが悪いということを言う人がありますが、やっぱりこれです。肺病などにもよくありますが、肺病でどうしても熱が冷めないということは、たいてい頭の熱です。ですから肺病の原因は肺にはないのです。肺は中間の機関です。頭から頸のまわりで肺病はたいてい治ります。ただ肺は溶けたものが痰になって咳で出るということになりますから、そこで衰弱しやすいのです。衰弱ということは食欲がもっとも関係がありますから、食欲さえ多ければ百人が百人みんな治るわけです。浄霊するだけは毒が減って行きますが、ただ衰弱でまいってしまうので、そこで肩ということになります。そういうようなわけで、病気の原因というものは、たいていその部分の原因ということはありません。ただオデキやなんかはその場所ですが、他の内臓の病気というものは、原因は病気の現われた所ではないのです。これはなんでもそうですが、元があるのです。ちょうど芝居みたいなもので、舞台にいろんなものが出るということは、原因は楽屋にあるのです。楽屋で準備して、そうして舞台において、よい芝居とか悪い芝居ということになるのです。ですからそこの楽屋を見つけて、そこをやるのです。それはだいたい決まっているのです。ただ肺だけはどこからでもいったん肺にはいって行くのです。頭でも手でも足でも、どこの固まりでも溶ければいったん肺にはいって痰になって出るのです。ですから肺病は胸の病と言いますが、表面に現われたのが胸だからそう思ってしまうのですが、そうではないので、体中の病と言ってもよいです。それは頸から肩から腹から背中から、溶けた毒はみんないったん肺に行くのです。ただその場合、多く溜まっている所と少なく溜まっている所の違いはあります。そこで肺病で一番多いのは頸のまわりです。ですから私は結核というものは、頸の病だと言ったほうがよいと思います。また頸のまわりに溜まった毒というものは必ず熱が出ます。それが溶けて痰になるのです。だから人間、頸は非常に肝腎なものです。借金も首、サラリーマンも首で心配してます。よく「首ねっこを抑さえる、首が危ない、バッサリと首を切る」と言って首が一番肝腎なものです。それで頸の中にも急所があります。喉頭結核はここのが溶けて、溶けたものが肺にはいって行って、肺から出る場合に痰に毒があるから、その刺激で咽喉が痛んだりいろいろするのです。それで物が呑み込めなかったり、声が枯れたりするのは、みんな喉喉結核と言いますが、これは頸のまわりの毒がいったん肺にはいって、その痰に毒があるというものです。また頸自身の毒のために喉頭結核になるという人もあります。それからロレツがまわらない人や舌にオデキのある人は、咽喉部の毒のためです。その毒が、まわりくどい(肺を通らずに)ことをしなくて、すぐにここから出ようというのです。その場合にここにそうとう固まったやつが舌に固まって、口がきけないというわけです。ですからとにかく咽喉部です。それから食欲は肩と心得ていればよいのです。それから淋巴腺ですが、ここに熱が出ると前頭部にすぐ移ります。この熱が前頭部に一番影響するのです。それはここの毒が前頭部に始終行くのです。だから頭の悪い人は、気がふさいだり、怒りっぽかったり、気持ちが悪いということは、みんなそれなのです。ですから神経衰弱とよく言いますが、これはやっぱりその原因の一番は淋巴腺です。それから中風も頸の横側の人と後頭部(延髄)の人と両方あります。その固まりが溶けて脳溢血になるのですが、こういう人は中風になっているときはそうですが、ならないうちも棒みたいな固まりがありますからすぐ分かります。

「『御教え集』二十四号、岡田茂吉全集講話篇第十巻」 昭和28年07月16日