昭和二十七年十一月一日 垂録15 (1)

【 明主様 】近来アメリカで、日本美術の良い所が分かってきたので、むやみに狙っているのです。それで博物館は予算が足りないのでしようがない。どういうものですか、軍艦を造るときは何億でもありますが、こういうときには馬鹿にしみったれなのです。で、こっちもできるだけ、なんとか食い止めようと思ってうまくやっているのです。それでアメリカで一番狙っているのは、伴大納言という人の巻物で三巻ある。鎌倉時代の初期の物です。巻物で一番良い物は、こっちにある天平の因果経で、二番目が伴大納言の三巻の巻物です。今度のアメリカの展覧会に行きましたが、これは去年サンフランシスコのときも行ったのです。それを一番狙っているのです。ですから、あれをどうしても手に入れようと考えております。

 

〔 質問者 〕隠れた良い物はまだまだございますでしょうから。

【 明主様 】それはずいぶんあります。日本はたいへんなものです。しかし不思議に良い物は、神様がこっちの手に入らせます。来年私は浮世絵の展覧会をやろうと思ってますが、浮世絵の最高の物がボツボツ入ってくるのです。

 話は違うが『アメリカを救う』はもう印刷のほうにまわりましたが、あれは日本かアメリカのどっちか、あるいは両方でそうとう問題になると思います。問題になればたいしたものです。問題になれば売れるに決まってます。アメリカあたりで問題になると、何十万か何百万冊かとりますから、そうすると無論ヨーロッパのほうにも売れますから、外貨獲得ということになります。あの文章は私はずいぶん骨折って書いたのです。あれを本当に見たらアメリカの偉い人、勿論医者もですが、息が止まるだろうと思います。

 

〔 質問者 〕問題になりましたら、外貨獲得もでございますが、神様のほうに、いよいよ凱歌が上がりますわけでございます。

【 明主様 】それはそうです。外貨獲得は付録のほうです。柔らかい言い方ですが、思いきってやっつけました。

「『御垂示録』十五号,講話篇第六巻p287」 昭和27年11月01日