いまラジオで選挙の様子を聞いていたのですが、たいてい有名な人で古い人というのは、勿論当選率が高いようです。
岩手県から出た田子一民という人は、有名で古い人ですが、私はあの人を二度か三度でしたが、浄霊したことがあります。それが七万いくらか集めて、最高点で断然群を抜いてます。
ところがまたおもしろいのは、鶴見祐輔は落選したのです。むしろ有名なのは鶴見祐輔さんのほうが有名かもしれません。で、鶴見祐輔さんも一家みんな信仰に入っているのです。先に「日本浄化療法」の時分ですが、前に一家中教修を受けたのです。
ところが「観音教団」になってからパッと来なくなったのです。それからおかしいと思って(近ごろ聞いた話ですが)ある人が聞いたところが、「いや、宗教になったから止したんだよ。あれは良いのだが……僕も家中で行ったのだが、宗教になったから、もう止したんだ」と、こういう話なのです。これがおかしいのです。
つまり察するに、それは自分が政界やなにかに乗り出して活躍するには、新宗教というものが障りになるという意味だろうと思うのです。そこで私はどうも感心しないと思ってました。もしメシヤ教が悪いものならそれは隠す必要もありますが、自分が良いと思ったら、新宗教でも旧教でも、ちゃんとやるのが本当です。そういう心なら立派に当選したのです。
あの人は最初熱海の時分に来て一時間以上話したことがありますが、そのとき、これはもういかんと思ったのです。それはあの人の話の間に一言私は駄目だと思ったことは、「僕はどうも世の中が厭になってしまった」それは軍部のためでしょうが「世の中が厭になってしまったので、月の世界に行って昼寝でもしたい」と言ったのです。
その一言で私はいかんと思った。昼寝はいくらしても良いが、月の世界ということは脱線もはなはだしすぎるのです。頭がぜんぜん取り違えていると思った。終戦後アメリカなんかに行って活躍してましたが、私はあんまり期待してなかった。
そういうふうに見ると、人間の人物を見るのに、言うことにちょっと変なことがあると、もうその人の値打ちというものは分かります。ですから、どの程度に偉いか偉くないかは、話をして……私はいままでみんなと話したり聞いたりしても、一〇の話のうちで半分合っているという人は少ないのです。上等の人で一つか二つこれはおかしいと思うことがある。それから男にはないが、女にはよくあるが、ごく上等で三分の一はおかしい。酷いのになると半分くらいあります。それを見るには、自分が一〇でなくては分からないのです。自分がお仲間ではそれを発見するという能力はありません。ですからそういう発見をするという能力は、要するに批判的な能力というものがなくてはならない。ですから偉い人の言うことや書いたものを見ても、これは一〇が一〇ピタッと来るというのはありません。比較的合っているのは、まず吉田首相の言うことです。ですからその点において、吉田首相は政治家では日本で一番だとふだんから言ってます。言うことはまず合ってます。することにちょっと合わない点があるのですが、しかし他が良いから、それをカバーしてます。ちょいちょい解散をだし抜けにやったり、この間も河野と石橋の二人を追い出したが、あれなんかもちょっと変だと思います。このことはわざわざ平地に波乱を起すようなものです。あれは鳩山を支持するために、よほどやりすぎがあったのでしょうが、そういうのは機会を見てやれば良いのですが、機会が悪い。自分がこうと思ったらどんなことがあっても、それをやるとかそれを突っ張るとかするが、それが欠点です。しかし他が非常に良いからたいしたことはないが……。
それから福永問題も変です。そんな具合で、吉田首相の政治的意見としては、アメリカの政治家には負けないです。レベルは同じ程度にいってます。あるいはアメリカの政治家より上のところがあるかもしれません。
アメリカの政治家はなかなか偉いが、なんと言うか、あまりに相手を見る目がないと言いますか、一番の欠点は朝鮮問題です。あれは停戦ができると信ずるのかなにか、とにかくそうとう停戦が可能だと思っていたらしいです。まあ近ごろだんだん駄目だということが分かってきたらしいですが、私は先からあれは駄目だと言ってます。つまりソ連のアメリカに対する消耗戦術だと言ってます。ですからそういった意味でその対策的にやれば良いですが、いまにも停戦ができるかのごとく思い込んで引き摺り込まれてきた。
要するに向こうの奴に翻弄されていたというような形が非常にあるのです。ごく最近になって急にアメリカのほうでは方針を変えたようです。それまでにそう思わないことが、要するに二股かけてやっていたようです。和戦両様というような……。それでも良いですが、もう少し早く向こうを見破れれば、アメリカの作戦はもっと有利に無駄をしないで進んだわけです。その点においてソ連のほうはまた非常に食えない点があります。けれどもソ連や中共のほうのやり方もずいぶん間の抜けた所があります。スターリンなんかはずいぶん食えない所がありますが、そうかというと間抜けな所もずいぶんあります。やはり悪ですから、やっぱりそうはいかないでしょう。共産主義なんかもずいぶん下手くそです。今度の選挙でも共産主義のほうは以前よりずっと成績が悪いです。あれは、あんなに嫌われるようにしないほうが……恐ろしがられるようにしないほうが良いのです。もっと好かれるようにすれば良いのです。恐ろしがらせて天下を取ろうというのは昔からあるのです。それを、恐ろしがらせて成功しようという政策をとってますが、アジアのごく未開な人民ならそれも成功しますが、いまの世界の文明国に対して、そういうやり方は成功するはずがないのです。
それを、共産主義で一生懸命やってますが、ああいうことは実に智慧が足りないと思います。もっとも、もっと智慧があると最初から共産主義はやらないでしょうが、やっぱり神様が経綸しているのだから、そう思わせ、そういうことをさせているに違いないです。しかし悪いことをやる奴はずいぶん間抜けです。どこか抜けているのです。けれどもそういうために私たちは、そういうことはやっても駄目だということが分かるので、良いことをやったほうが得だということになるのです。良いことをやっては損だということは、やっぱり考えがどこか間の抜けた所があるのです。それでうまくできているのです。神様がそういうようにこしらえてあるのです。