昭和二十七年六月十五日 『御教え集』十号(7)

五月一七日

御教え 近ごろよく御守護電報が来るんですが、それに書いてあるのを見ると、「長い間胃が痛んだ」とか「頭が痛んだ」……そういうような電報がよくあるんです。だいたい痛みというのはわけなく治るものなんですよ。浄化作用では、一番激しい浄化作用だからして治りも良いんで、それがだいぶ長い間そういう痛みがあるというのは、あれは浄霊の仕方がやっぱり悪いんです。というのは力を入れるんですよ。よく、一生懸命にやるということを言いますがね。お蔭話なんかにも書いてありますが、一生懸命にやるとどうしてもカが入る。だからそこを間違えないようにしなければならないですね。一生懸命にならないほうが良く治る。一生懸命になると人間の力のほうが多くなるから、神様の力のほうが薄くなる。治してあげたいというのは結構ですが、治すのに一生懸命になるというのは、いけないんです。だから、ぜんぜん一生懸命にならないで、ごく軽い気持ちというよりか……軽い気持ちというとかえって徹底しないので……まあ、どうでも良い、ええい面倒臭いと、そういう気持ちが良いんです。私はそういう気持ちでやっているんです。どうせ、うんと薬を服みやがったんだから、自業自得だ。だからまあかわいそうだから治してやるんだけれども、そうなにも一生懸命になる必要はないというような……極端ですが、そういうような気持ちでやるほうがかえって治る。すると、神様のお力のほうが強くなって、人間力のほうが弱くなるから治るんです。痛みなんか、ごく力を入れないでやるとじき治るんです。軽い気持ちで、霊が通れば良いんですからね。それで霊を通そうとすると力が入るんです。そこが難しい。だから力をできるだけ抜いて霊を通そうとする。そうするとだんだん慣れてきますからね。そうすると痛みなんか割合早く治る。どうしても痛みが治らないという御守護電報は、そういうわけなんです。力が入るんですね。

 それからもう一つ知っておかなければならないのは、こう(御浄霊)やるとじきに咳が出、痰が出ますが、あれは溶けた毒が肺にいくんです。ところが肺にいかないで胃にいくのがある。よく浄霊した場合に……頭をやると頭はたいへん気持ち良くなったが、胸がムカムカするというのがある。それは溶けた毒が胃にいくので……これはたいてい下痢になります。そういうときに胸がムカムカする。そのときには鳩尾を狙ってやる。そうすると、胸がムカムカするのはじきに良くなります。頭が良くなったのに胸がムカムカする。おかしいなということがよくありますが、いまの理屈を知ればなんでもない。ちょっと気がついたことを注意しておきますから、そのつもりでやってもらう。

 それから最近米国から……あっちに行っている人の通信では、いま米国で一番多いのは癌なんです。その次が小児麻痺。その次が結核と。この三つが一番多いんですね。ただ、日本と違うのは、癌が非常に多いことと、小児麻痺も多いですね。結核は日本のほうが上かもしれません。あるいは米国のほうが、また結核がふたたび増えつつあるのかもしれませんが、今度書いてそれを米国の関係方面に送ろうと思ってます。癌の原因というのは、肉の毒なんです。肉食が多過ぎるんです。アメリカの人は……まあ、白人種はそうですが、特にアメリカ人は多いです。で、肉の毒を消すのは野菜です。だから菜食すれば良いんです。癌もいろいろありますが……特に胃癌が多いですが、胃癌は菜食すれば治るんです。ですから、つまり肉が多過ぎるんですね。本当からいうと、私の栄養学に書いてある通り、菜食と肉食と半々が良いんです。それが、菜食が少なくて、肉が多いと癌になるんです。医学ではそれが解らないからいろんなおかしい研究をして、ただそれだけなものです。それをアメリカの人に知らしてやると、ずっと癌は減ります。それから小児麻痺ですが、アメリカの小児麻痺は疑似小児麻痺が多いので、ですからたいてい片っ方の足が歩けない……たいてい足ですね。それは、注射の毒が足に固まる。それをほったらかしておけば良いが、いろいろの固め療法でやりますから、固まって……そうすると歩けない。それが原因なんです。それも解ってみれば、なんでもないものですが、根本が分からないからやっぱり固めちゃう。そこで浄霊をあっちではまだ知らないとすれば、ほったらかしておくのに限るんです。そうすれば、いずれは腫れて膿が出て、治っちゃうんです。それと、結核のほうはいずれ『結核信仰療法』の本ができたら、あっちにも送りますから、それで解決できるわけです。そろそろ西洋のほうにこっちの医学を教えようと思って、ボツボツやろうとしてます。そんなようなわけで、アメリカの人も、他の発明やなにかは、なかなか偉いですが、医学に関する限り、どういうものかまことに頭が悪いですね。

 次は美術館です。箱根の庭園ですね……地上天国……それがいよいよできることになりました。明日あっちに引き移るつもりですが、いつかお話した裏手のほうのモミジを植えて、下に青苔をやるということでしたが、ついこの間行ってみると、モミジはほとんど植わったです。聞いてみると二〇〇本ばかり植わったそうです。みんなそうとう大きな木ですね。一人前のモミジですね。ですからずいぶん……紅葉でもしたら壮観だろうと思います。その下の苔ですが、もうそろそろ植えて良い段取りになってますから、今度箱根に来るときに苔をできるだけ持ってきてもらいたい。ちょうど来月は入梅にかかりますから非常に良いと思います。で、六月一五日に落成式ですね。神仙郷の落成式と美術館の開館式をやりたいと思ってます。それまでに苔もできるだけ植えておきたいと思いますから、今月の二十五、六、七。来月の五、六、七ですかね。その二回のうちにできるだけ苔を持ってきてもらいたいと思います。なにしろ広いですから、そうとういると思います。大勢の人ですから、ずいぶん来るだろうと思いますが、こっちの広さもなかなか広いですから、そのつもりでできるだけ多く持ってきてもらいたい。あれもたいして重いものでもないし、嵩ばるものでもないから、そうとう持ってこられるだろうと思います。……そうして六月一五日から……なにしろ早く見たいという人がたくさんどころか、ほとんどみんな早く見たいと思いますから、それでできるだけ早く見せたいと思うので、だいたい一五日から一○日でも間に合わないかもしれません。日光殿もずいぶん広くなりましたが、やっぱり二〇〇〇人ちょっとだろうと思いますね。だからなかなか大勢は、一度にちょっと入りきれないですからね。それは教団のほうで、しかるべくやるだろうと思ってますが、ずいぶんたいへんだろうと思ってます。美術館もずいぶんいちいろなものを並べますから、一回見るにもそうとう暇がかかるだろうと思います。急いで見ると一時間くらいかかるだろうと思います。少し好きな人は、もっと……二時間も三時間も見たい人があるだろうと思います。なにしろどこにもないものが、たくさんありますからね。見られないようなものがあるわけですね。それはほうぼうに美術館とか博物館とかありますが、そういう所にないようなものを私はできるだけ主にしてますから、なかなか暇もかかるし、たびたび行ってみたいだろうと思います。

 信者以外の一般人で来たい人もありますし、そこで交通ですね。交通も考えているんです。いまの登山電車ですね。あれなんかも、ふだんでもずいぶん満員で乗りきれないことがよくあるそうですから、どうしても小田原から強羅まで教団の自営のバスが必要だろうと思って、いまそういうような計画をしてます。これはたいして厄介でもないらしいので、昨日もそういう話があったんですが、四、五十人乗りのバスを一○台くらい用意しようと思っている。そうして教団の人は専用バスですから、非常に楽に自由に乗れますから、どうしてもそれをやる必要があるわけです。参拝日以外は、教団以外の一般の人の美術館行きというようにしてやるわけですね。いまのところでは、強羅から降りてまたケーブルに乗らなければならない。それをバスでずっと直通にしてしまえば非常に楽ですから、これはぜひやろうと思ってます。近ごろはバスは非常に進歩してますから、なかなか乗り心地の良い、観光的ですね。ああいうバスの非常に良いのができている。しかも信者の人で、あのほうの専門の会社の社長さんが、骨を折ってくれるそうですから、非常に具合が良いと思ってます。まあ、美術館のことは話すればたくさんありますが、話すより「百聞一見に如かず」で、見てもらうほうが一番早いです。

 他にないのは……美術館も他にないですが、今度あそこにモミジがたくさん植わって、まわりに紅葉でもするようになると、いきなり入って行って……で、紅葉は一般人に見られるようにしますからね。それから萩の道を通って竹林ですね。それら庭園の美です。それだけでそうとう驚くだろうと思います。なんとも言えない……あそこの調子が良いですから、そういう美術館というのは世界中にないと思ってますね。外国の美術館なんかには、それはそうとう広い所もありますがね。芝生の幾何学的の……われわれから見てはあんまり趣味がないです。ただ気持ちが良いだけでね。あとは町の中ですね。その点においては箱根の美術館は断然群を抜いていると言い得ますか、特異的の環境ですね。そういうふうになってますね。美術品も、私は日本よりか外国を主にしてますからね。英、米のなにを調べてみるけれども、ずいぶん数はあっちにありますが、一軒でたいしたものはないようです。だからだんだん分かるにつれて外国の人がずいぶん来るだろうと思ってます。話はそのくらいにして。

 今度、二〇日過ぎてから九州方面に、また宣伝旅行をやるようで、例の通り原稿を書いてもらいたいというので、ちょっと書きましたがね。ちょっと変わったことが中にありますから、参考になると思うから読ませます。

(御論文「舌に代えて」朗読)〔「著述篇」第一〇巻五〇三-五〇六頁〕

 この中に日本は白の色ということが書いてあるが、これはおもしろいんですよ。日本の天皇の皇の字ですね。それから、日本は「天皇」の国とか、「皇」とかいうことは、各々白の下に王と書いてありますね。日本は白の国ということは……太陽の光線の色をグルグルまわすと、白になりますね。あれと同じ理屈です。だから日本は各国の色を全部取り入れるんです。そこで日本の文化をみれば良く分かります。日本くらい各国の特徴を取り入れた国はないですからね。世界中の人種で、各国の文化を理解できるのは日本人だけだ。これは外国の識者でも、そういう説を唱えているのもあるようですがね。誓えて言えば、同じ東洋人でも、西洋音楽は日本人しか解らない。支那……中国人には解らない。勿論朝鮮人もそうです。日本だけです。それから外人……白人種のほうは、いろいろな方面にはずいぶん頭が良いんですが、日本の芸術……それは解らないですね。近ごろだいぶ歌や俳句を研究しているようですが、なかなか解らない。ところが日本人は外国の詩でも文学でも容易に理解できるんです。だから日本人くらい多方面に能力がある国民はないです。そこで日本は日の本ですね。太陽の国というのはそういうわけです。講和以前ですと、あんまりこういうことを言うと具合が悪いですが、もう言っても良いから言うんですが、そんなようなわけでメシヤ教にもそういうことが当てはまるんです。またいままでの宗教でも、メシヤ教くらい、いろんなことをやる宗教はないです。たいていいままでの宗教は、教えとか……まあ教えが根本です。美術館を造るとか、農業を改造するとか、あるいは医学を排して病気を治すとか、お祭りの余興にいろんな芸能人にいろんなことをやらせるとか、メシヤ教という名前からしてキリスト教向きであって、そうかというと観音様があったり御神体があったり、仏教的で……実に多方面にわたっているんですね。これはいまいう太陽の白の働きですね。ですから昼間の世界ということは、白の世界ですからね。それでいろいろな色を取り入れて、コントロールして白色ということになる。それで私は寸鉄に白光生という名前をつけたのはそういう意味からです。そういうことを知って日本の国をみると一番良く分かるんですね。だから日本にはいろんなものがあるんです。だから日本の思想にはアメリカの思想もあるし、ソ連の共産主義もあるし、イギリス、ドイツ……いろんな……各国の思想があります。またそういったふうの色の人間も日本人にはあります。東洋でもいろいろ……支那、朝鮮、南洋……そういうのがあります。実におもしろいんです。それで、日本にはすべてのものの種類が一番多いですからね。食物でも、日本くらい魚の種類が多い国はないそうですからね。そういうことを言うときりがないのですが、いま言ったような……日本は白ということはそういう意味です。そういうことをお話したんです。

 それからこの間火星が地球に近づくというので、ちょっと気がついたのでそれを読ませます。

(御論文「宇宙は地球以外に生物なし」朗読)〔「著述篇」第一〇巻五一六―五一七頁〕

(御論文「世界的迷信としての現代医学」朗読)〔「著述篇」第一〇巻五一四―五一五頁〕

 二、三日前の新聞に、貧乏な人の婦人ですが、片っ方の目が見えなくなったので、それを病院で手術をしたんですね。肉腫が二つあったのを、二つ取ったらすぐに見えてきたというのをデカデカと出てましたが、あれは肉腫じゃないんです。なぜというと、最初から痛んで熱が出たというんです。肉腫は痛みも熱もないんです。痛みがあり熱があるのは膿なんです。それを、視神経に膿が固まっていて邪魔したので見えなかった。そんなのはわれわれのほうでやればじき治っちゃいます。そういうようなことを、私のほうで厚生省に一年以上前から毎号送っているんです。だから厚生省の人はだれかきっと見ているに違いない。お蔭話なんかに、目の見えない人がわけなく治ったという事実があるんです。読んでいるでしょうが、なにも関心を持たない。そうして、医学のつまらない……ちょっと効果があるという事実を大々的にして嬉しがっているんです。まったく、つまりこれほど根強い迷信というものは、あんまりないでしょうね。しかもこれは世界的迷信ですからね。いままでは宗教の迷信というと、一民族とか、世界の一部ですからね。ところがこの医学迷信は、いままでのものの中で一番大きいでしょう。そしてまた迷信にかかっている人ももっとも多いですね。もっともそういう迷信があるからメシヤ教が発展するわけですがね。そういう迷信がなかったら、われわれのほうで発展するとか、人を救うという必要はないんですね。お蔭話なんかというのはなくなっちゃうんですね。だからその点においてはあんまり悪くも言えない。そうかといって神様のほうは万民を救うんですからね。こっちの都合の良いことばかり考えてもいられないです。そんなようなわけで、例のヒドラジドですね。この間、「結核新薬を嗤う」という論文を出しましたが、最近になってどうやら怪しくなってきて、アメリカの製薬会社なんか、一時は株が暴騰したそうですが、最近になってまたガタ落ちになった。薬屋が、あんまり誇張して言い過ぎたんです。それで医者がそれに乗っちゃったんです。それで製薬会社で米国の医者に、千何百人とかが詫び状を出した。あんまり誇張して言ったので、ご迷惑かけてすまなかったと。そういうようなことは、やはり薬を迷信しているためにそんな事件が起るんです。われわれのほうは最初から、薬というものは駄目だということが分かっているから、予言したことが当たっちゃったんですが、そんなわけでこの医学迷信、薬剤迷信……これをぶち壊すのは、なかなかたいへんなものです。こういうもの……薬を一番信じているのはアメリカですからね。アメリカの医学が一番世界的にいばってますからね。これをボツボツこれから解らせようと思ってますがね。そのくらいにして寸鉄を。

「『御教え集』一〇号、昭和二七年六月一五日」 昭和27年06月15日