昭和二十七年六月一日 垂録10 (2)

〔 質問者 〕奉仕隊の座談会に月二回行っておりますが……その中で、いったい明主様は先はこうなると、はっきりお分かりになってお造りになるのか、お言葉に出されるとそうなって行くのか、その間はっきり説明ができないと話しましたことがございますが。

【 明主様 】そうはっきり言うことはできないが、まあ……どっちもあるんでしょうね。だいたいは見当がつきますがね。だいたい非常に浮かぶんですね。たちまちパッとそこに出るんです。だから、いずれ造る光明殿……あれも目に見えるように写ってしようがないです。あれは白亜の十字形になって、何段にも角があるんです。真っ白でね。これも世界にないですね。

 

〔 質問者 〕真っ白と申しますのは、この間の日本は白という意味でございましょうか。

【 明主様 】そうではない。白は見た目がいいからですからね。だからアメリカなんか非常に白を使います。コルビュジエ式というのは、白色が最も適当するんです。それでよくやるんです。ですから、美術館に白という話もあったけれども、どうも私は白ではおもしろ味がない。うま味がない。

 

〔 質問者 〕白ではありふれておりますので。

【 明主様 】そうです。それに白はなんにでも使うからね。やっぱり美術館では、特殊な……異ったふうに見えなくてはね。だから建築なんてのは、建築そのものの用途にピッタリ合わなくてはならない。美術館なら美術館らしく、それにピッタリ合わなくてはならない。環境、位置ですね。それから箱根のように山があり木があるというのは、それに調和するようにしなければならない。

 

〔 質問者 〕瓦の色がとてもよろしゅうございます。

【 明主様 】あれはいいですね。私はもっと薄いのを注文したんですがね。でもまあ、我慢しておきます。

 いずれ私は銀座に美術館を造りますがね。これは、ちょうど銀座に調和するような、それで他にないような飛び抜けて良いものです。そういうものを造ろうと思ってますがね。実現するだろうと思ってます。ちゃんと敷地はあるんですからね。だいたい設計も……私の設計ですが……してありますしね。「東洋美術協会」というのを先月作ったんですがね。私が顧問になってます。会長は作家の武者小路実篤……あの人が会長になっている。みんな名士ばかりですよ。小林一三とか大倉喜七郎。政治家では星島二郎。そういったレベルの五十幾人です。当館も今度招待して見せます。この連中の……「東洋美術協会」の機関として銀座に造ろうと思う。間口一四間、奥行一六間、約二〇〇坪三階建てにして、一番奥を古美術にして……会員には細川護立がいますからね。みんな持ってますから、そういうものをみんな出させて、二階は個展ですね。個展をやろうと思う。個展は銀座でやれば一番ですよ。見てくれますからね。個展は一番人の目につく所でやらなければならない。一番目につくのは銀座ですからね。広いですから……二〇〇坪の家だから、個展が三つや四つはできますよ。下を売店にしようと思う。

「『御垂示録』十号,講話篇第六巻」 昭和27年06月01日