それから、話が中途半端だったが、こういう鉱石が出て、いますぐ売ると非常につけ込まれて、安くされるんですよ。というのは、亜鉛と鉛と銅と別々になると、そっくり相場で売れるんですがね。妙なもので、鉱山会社というのは、銅は銅、鉛は鉛と別々になっている。こういう三つともたくさんあるという石が、いままでないんです。そこでどっちかになる。ところが、これは三つともそうとうあるんですからね。これを銅山に行くと、銅だけにして、あとはいい加減にして買ってしまう。鉛処理のほうに行くと、鉛だけ見て、あとはいい加減にして買ってしまう。そういう嫌いがあるので、安くされる。銅はいま不足しているので、値が良いんですが、鉛は下がり具合です。というのは、朝鮮問題のときに取っておきをワッと出した。ところが朝鮮問題がねぼけてきたので、買い控えになるんです。しかし、いずれ日本も軍備を作りますからね。それまで取っておいたほうが良い。神岡のほうの意見もそうなんです。そのうちにいずれ値もつくし、取っておいたほうが良いというので」私は銅をやっている。で、下のほうに行って、銅を出そうと思う。とにかく鉱石は分離するに限る。選鉱機械と言って、前にいくらか用意してあるので……充分調わないが、急がしている。これが、据えつけが後一方月の予定ですから、いろいろつけたしたりするのに日がかかるとみて、来月いっぱいで完成とみてますがね。そうすると、それから分離して、亜鉛は亜鉛、銅は銅、鉛は鉛と別けてやると、そっくり金<かね>になるんですね。それから、この山で、採掘量が、五人で一トンくらいは掘れるんです。そうすると、一〇〇人で日に二〇トン掘れるんですね。いま私は一〇〇人の予定にしているんですがね。それには飯場……寝る場所を作らなければならない。第一のほうはできあがりましたがね。二〇人くらいでね。まだ、第二、第三と作るつもりです。これは信者の大工が行ってやってますからね。一〇〇人を目標にしてやってますがね。今月は二軒、来月も二軒くらいの予定ですからね。そうするとそこに、坑夫をやる奉仕隊……そういう人が必要なんです。そうとう重労働になりますからね。地上天国なんかより、無論力がいると思いますから、そういう人を……最低三カ月くらい御奉仕できるような事情の人を、心掛けてもらいたいと思います。一〇〇人いるわけですがね。一〇〇人と言っても、急にはいかないから、月々増やすというほうが結構です。そういうようにしてもらいたいと思う。ですから、仮に予定が五人で、一トン。一〇人で二トンで進行すると、量は半分とみなければならないですね。すなわち半分というのは、分離するとともに良いほうに選り別けるんだからね。原鉱で、銅が二%とすると、選鉱して二〇%くらいにですね。水上の鉱石は品位が良いですから、それほどの手数をかけなくても良いんで、原鉱で鉛、亜鉛が四〇%。銅鉱で八%以上もありますから、選鉱して、これを倍にするのは簡単です。従って品位を倍にするものとみて、二〇トンの原鉱は一〇トンになります。銅が一トン三〇万円。鉛が十五、六万円。亜鉛が十七、八万円くらいでしょうね。もう少し高いでしょうが、結局その辺まで下がるだろうと思いますがね。そうしていろんな、輸送賃とか坑夫の賃金がずっと少ないから、結局すべてを引いても、収入一トン一〇万円にはいくだろうと思いますがね。そうすると、予定通りいけば、一〇〇人あれば、すぐに二、三千万円くらいの儲けになりますね。そうなるのは秋あたりからと思いますがね。それでいろんな……箱根、熱海の経綸がたくさんありますから、それをやらなければならない。それから京都のほうも、やっぱり神様のほうでは地上天国を造る予定になってますからね。そんなわけですからね。教団のほうで、山が当たったから、金の奉仕なんかそうしなくても……急いでやらなくても良い。というほどではまだないんですよ。それと、いずれは鉱山からドンドン出ると、金のほうは非常に楽になりましょうが……御用するということは、本当は霊的に言うと、みんな人間は罪穢があるので、神様から借金しているということなのです。借金は溜めておくほど利子は増えますから、早く返したほうが得ですから、お金の御用ということはたいへん結構なんです。罪穢がそれで消えますからね。あまり金のことを言うのは、どうも感心しないから、私は言いたくないが、理屈だけは知っていたほうが良いですからね。
「『御垂示録』八号、講話篇第六巻p99~102」 昭和27年04月01日