昭和二十七年三月二十日 『御教え集』七号  (17)

春季大祭御教え

三月二三日 

 今日からこの場所での第二回目の春の大祭をやることになりましたが、この大祭について、なるべくお土産になるようなことを話したいと思います。ふだん……始終話しているんで、あまりすばらしい話もないんですが、とにかく……だいたい全般にわたって、ちょっとお話をしようと思うんです。今年のこれからの予定は、結核問題に関する……『結核信仰療法』という本は、もう原稿ができまして、これから印刷にかかる、近く出版になるんです。今度は世界的に発表しょうと思うんで、非常に努力してやりましたからね、それだけの億打もがあると思うんです。いままでの書き方と違って、思いきって、少しも斟酌しないで、ありのまま、医学の欠点から……だいたい結核が主になってますけれども、全般的の病気に関して書いてあります。理論医科学といった具合に説いてあるつもりです。これは、そうとう驚異を与えるだろうと思ってますね。で、無論これは英文に訳して世界中に配るつもりですがね。この間も話した通り、アメリカなんかも非常に結核がはやってきているんです。それから、今度リミフォンという新しい薬ですけれども、あれを服むとたちまち結核菌が死ぬというんで、だいぶ評判になってきましたがね。われわれから見ると、実に甘いものなんですよ。結核菌が死ぬというと、つまり身体にある結核菌が死ぬわけですね。死んだところで、後々出てくるんですからね。それを知らないんです。ですから、いま泥棒やずるい奴がいる。こいつをみんな捉えて牢屋にぶち込む。それで良いと思っている。後々いくらでも出るんだからね。結核菌というのは、後々出るということを、気がつかないか知らないのか、とにかく、不思議なんですよ。そんなようなことも充分書いてありますからね。日本の政府やお医者さんは非常に遠慮がちですから、たいして強く響くかどうか判りませんが、とにかく国のほうは、そうとうのセンセーションを起すだろうと思います。で、これは政府、当局、新聞社とか国会議員、各大学、療養所というような……そういった重要な方面にできるだけ配ろうと思ってます。それから、新聞の広告も連続的に出そうと思ってます。医学界に対する原子爆弾と、こう思ってますがね。

 それから農業に関しては、この間の「農業特集号」で、だいぶ全国的に刺激を与えたらしいのでチョイチョイ、尋ねる……そういうような手紙やなにか来るそうですからね。もっとも、あれは一回試すのに二年かかるんですから、そう手っ取り早いというわけにはいかないです。しかし、少なくともあれを見た限りの者は、じゃ一遍試してみようというんで、持っている田地の二割くらいは試作をするだろうと思いますね。それで結構なんですね。ですから結局は全国的に、こっちの予想したような食糧問題の解決、というところまでいかなければならないはずですね。もっとも、神様がやるんですから、そうなるのは決まっているんです。別に心配することはいらないんですがね。
 次に耳からの、地方宣伝班ですね。これができるだけやるようにしてますからね。この人たちの自然栽培の宣伝は、そうとう反響を与えるだろうと思ってます。
 それから、いま一番骨を折ってやっているのは箱根、熱海の地上天国です。箱根の神仙郷のほうの美術館は、着々として予定通り進行しております。それで二、三日前も行ってみたんですけれども、非常に良くできまして、むしろ私が予想したよりも良くできたくらいです。ですから、これもいつも言う通り、全国的に大いに注目されるだろうと思ってます。ふつう分かりやすく言えば、間取りですね……間取りもなかなか良くいってます。あんがい、光線や陳列される品物の配置やなにかも、思うようにいくと思うんです。いま陳列のケースをこしらえさせてますがね。これも、いままでほうぼうでやらないような、ごく新しい、なるほどと思うような……そういうものを作ろうと思っています。いま、見られた人もそうとうあるでしょうがね。入って左のほうが屏風と陶器ですね。だいたい徳川時代の物を多くしてます。そういう物の一番発達した時代ですからね。右手は二部屋ありますが、これは現代美術ですね。絵画ですね。もっとも日本画ですがね。彫刻、陶器、蒔絵……そういうような具合でね。二階は左手のほうは大広間で、非常に広いですが、これは絵画ですね。掛物ですね。それを並べて、見せるようになってます。掛物を掛ける所なんかも、床の間のように砂壁にして、ちゃんと鴨居を、檜で長さだけ通してその裏手に蛍光灯ですね。鴨居全体の裏をやってありますからね。ですから、それをつけると、その明かりが掛物だけに行きますからね。照明は遺憾なくやるつもりです。それから下の框と言うんですね。あの框は、ラワンという木ですがね、割合良いです。割合低くして、あまり仰向けで見ないように、高さやなにかも、私がすっかり指図してやりましたがね。非常に良いと思います。そこに高麗縁の茣蓙でずっと……床の間のようにやりましたがね。床の間という感じを出すつもりですがね。陳列は上がり下がりが非常に関係がある。というのは、陶器にしろ……お皿を見るのは、俯くか下から見るかですからね。といって、茶瓶とかは……そういうところも私は非常に苦心して、模範的にやろうと思ってますね。今後の美術館に対することでね。だいたいの館の形はなかなか良くできました。それから、なにしろ評判になるに違いないですからね。ずいぶん見に来るだろうと思います。そこで、そういった大勢の人を収容するような設備をしなければならない。倉田〔旅館〕の前をケーブルのほうに向かって行きますと、左に曲がるあの角に切符売場を作って、その後に二、三百人くらい腰掛けられるような休憩所を作る。つまり、それでなければ、美術館というのは、ゾロゾロ見たんでは、やっぱり楽しんで見られませんからね。やっぱり人を計ってみなければならない。その間待たしておく休憩所が必要なんで、ちょうどそういう具合に地所の大きさや形も、ちょうど良いんですね。やっぱり神様が前から準備してありますからね。楽なものですよ。外人なんかがたくさん来ますから、自動車を置く所がなければならない。どうしても二、三十台置けなければならないですね。ちょうど切符売場の……先に新聞をやっている三尋木さんが住んでいた所の前ですね。右の角ですね。そこはそうとう低いんですよ。自動車置場にすると、平らにしなければならない。ところがおもしろいのは、いまの神仙郷は、だいたい夏いっぱいで造るつもりです。それで公園に面した、先に藪みたいになっていた所は、平らのように少し高くなっている。そういう土の広場をこしらえたんですがね。もうだいたいできている。あそこにモミジを植えようと思ってね。つまり北のほうですね。そこにモミジを植えて、それから流れ……美術館の横手のほうに行く、あそこの縁に、やはりモミジを植えようと思っている。ですから秋が非常に良いと思いますね。美術館なんかも、秋に行く人がずっと多いですからね。美術館は、やっぱり秋の気分に合うんでしょうね。やっぱり秋がさかんですね。箱根も一大モミジ郷という……そういう所を造るつもりですからね。で、聞いてみると、今度モミジを三〇〇本買ったそうですからね。先に五、六十本ありますからね。そうすると三六〇本ですね。ずいぶん、あれは大きいですからね。できるだけ大きいやつを注文したが、まあ……一大壮観だろうと思ってます。そうして、神仙郷のほうは夏までにできますと思います。今度はケーブルを越して半町ばかり行くと、先にツツジ畑にした所があります。これは、知らない人があるかもしれないが、これは強羅におけるちょうど中央で、穏やかなホーロクを伏せたような山で、実にこっちの希望に合っている山なんです。約一万坪なんですがね。それは、前にボツボツ手に入れてあって、でそこに将来本山を造るつもりなんです。いまの神仙郷というのは地上天国の模型で、メシヤ教の本山というわけではないんです。いま使っているというのは、仮に使っているので、将来宗教的本山というのは、別になければならないので、いまの所はそのために買ってあるんです。そこに行くにはケーブルを通らなければならないので、ケーブルの下にトンネルを作るつもりでね。ボツボツかかりました。その土を自動車置場の低い所に埋めると、ちょうど良いんですよ。この間すっかり聞いたところが、ちょうどトンネルが楽にできるそうですからね。そうしてケーブルを越したほうは地面が非常に低いんですから、非常に都合が良いんです。バスやトラックも充分通られるそうです。それで、土地の人も喜んでいる。ケーブルに遮られて横断できない。横断するには駅のほうまで行かなければならないから、会社でも喜んでいる。会社がすべきことをこっちがしてやるんだがね。もっとも、いまの地所ですが、会社のものです。私は、あそこは良くなるんで、寄付させようと思って、寄付しろと言ったが、そういうわけにいかないので、お貸ししますと言うので、借りることになった。いまは非常に高いんですよ。あの辺は……公園近くはどうしても坪二〇〇〇円しますからね。そんなような具合で、一万坪の山ですね。そこが……神仙郷が終わったら、ソロソロ始めなければならない。ここの予定は、つまり本山のような、殿堂のようなもので、一万人収容できる建物になりますからね。全部椅子で一万人ですから、おそらく日本一ですよ。現在あるので一番大きいのは、浅草の国際劇場で、五〇〇〇人ですからね。五〇〇〇人で一番大きいんですから、一万人と言えば日本一ですね。その下のほうに去年買ったんですが、五〇〇〇坪の地所があって、そこに宿舎を作ろうと思う。県別か会別にして……天理教でやってますが、これはどうしてもやらなければならないですね。そうすると、宿屋に泊まらないで、そこに泊まるようになりますから、非常に便利ですね。そんなようなわけで、箱根のほうも着々調いつつあるんですね。まだいろいろな計画はありますけれども、そういうのはだんだん発表するとして、いまのところはそんなような状態ですね。

 それから熱海のほうは、熱海は……ほとんどここにおられる方は見られたでしょうがね。なお、箱根のいま造る山ですね……将来にできる山は「光明台」という名前をつけましたが、そのつもりで思っていてもらいたいですね。そこの所は、ちょうど日本の霊界で中心になるわけですね。東と西の間ですね。そこで霊界における中心に光明が現われるという意味になるんです。それで、光明世界ができるんですがね。ですから、そこの所は一万五〇〇〇坪ですね。また少しは拡がるでしょうがね。

 それから熱海のほうは、見らるる通り、いまツツジ山を作ってますがね。あのツツジ山は、最初二〇〇〇本の予定だったんですが、山がだんだん拡くなったためもありますが、二〇〇〇本じゃ足りなくて、増やして……結局三六〇〇本ですね。ミロクですね。おもしろいですよ。梅が二五〇本植えてあって、この秋一〇〇本植える。つまりなんだかんだ言って、これも三六〇本ですね。箱根のモミジが三六〇本。梅が三六〇本。ツツジが三六〇〇本と、こうなっている。で、会館のできる晴々台ですね。あそこもだいたい……ほぼ完成したわけです。で、会館もこの間専門家が図面を画いてきたんですが、やっぱり専門家というものは、これ(鼻)があるので、なかなか言う通り画かないです。ところがぜんぜん私の考えと違うものですから、今度は別の専門家に、昨日指図しましたがね。で、お気に入るまで何回でもやるからという約定でね。やりましたがね。今度は思うようなものができると思いますがね。来月あたり図面だけ見せますよ。これはごく以前も言った通り、新しい形式でね。新しい宗教建築ですね。で、できるだけ会館も大きくしようと思って、充分大きくした結果、椅子席がだいたい二〇〇〇。まわりの廊下に立って一〇〇〇人は大丈夫ですね。三〇〇〇は入ります。それからお祭りで窓の外に立つ人ですね。窓を開け放しますからね。そこに立つ人が二〇〇〇人くらいは大丈夫ですから、結局だいたい五〇〇〇人は収容できますね。だから当分は良いと思いますがね。将来は熱海も箱根よりもっと大きい所が、ちゃんと神様のほうで用意してありますからね。それはずっと先のことですがね。それでツツジ山ができただけでも、ずいぶん壮観だと思うんです。で、神様のほうは桜の山を作られる計画になっているんです。これは晴々台の左手のほうにできるんですがね。三つの山になるんですがね。これもだいたい土地やなにかも、もう約定ができてますからね。時期の問題だと思ってます。そこに桜を二〇〇〇本植えるつもりです。つまり吉野山は一目千本と言うんですが、あんな広い所に一〇〇〇本植えても、一目で見られません。今度は本当に一目千本という所を作るつもりなんです。これはずいぶん大きな努力ですね。いまのツツジ山より、もっとずっと大きいですからね。五倍くらいになりますからね。とにかく神様のほうの計画というのは実に大きいんですよ。こっちのほうで、だいたいこのくらいと思ったのが、ドンドン展びて行きますね。だから熱海のほうは、神様のほうは、まだまだとても大きな計画があるのです。ところがちゃんとその通りにできるんですからね。人間のほうが心配することはない。

 ですから、よほど信者の人も腹を大きく持たないと、いまに見当がつかなくなっちゃいますからね。いろいろな先のほうの計画やなにかも、だいたい神様のほうから知らされてますが、それはたいしたものですよ。第三次戦争とか言ってますが、神様のほうでは第三次戦争なんか、これはいまの……あれは邪神の計画ですからね。けれども、その喧嘩は必要なんですからね。必要だからさせるんですが、世界大戦なんか止めるのは、わけないんだそうです。あまり大きなことを言うと、誤解されますから、なるべく言わないようにしてますがね。そこで病貧争絶無ですね。病気も貧乏も解りますが、戦争を止めるということは、ちょっと人間じゃ想像もつかないんですが、でもたいして難しいことじゃないらしいんです。それも、だんだん時局の進むに従って、少しずつは発表していきますが、なにしろ世界人類を救うんですから、いかに大きな構想であるか、ということを腹に入れておけば良いですね。それで、そうかといって、神様は邪神のほうのやることと違って、破壊じゃないんですからね。破壊や人類を苦しめるということは、神様はやられないんですから、そこに非常に人間の想像し悪い点があるんですね。最後の審判とか、立て替え立て直しとか言うと、恐ろしいように言いますが、恐ろしいのは、間違っている人は恐ろしいですが、そうでない本当に信仰心のある人は、ちっとも恐ろしいことはない。むしろ楽しんで良いくらいですね。話はそのくらいにしておきます。

 今日は浄霊はしないつもりだったんですよ。ところが、さっき阿部さんから、非常に希望されるというんで、どうもそういう御希望があったんでは、やらないわけにはいかないから、やることにしましたがね。なにしろ多いですからね。受ける人がね。ですから、そうとう時間がいつもよりかかるかもしれませんがね。だいたい一五分か二〇分ですがね。話はこのくらいにして、これからやります。

「岡田茂吉全集 講話篇 第七巻」 昭和26年03月20日