【御教え】 今度、「農業特集号」を……この次か、その次あたりの『栄光』の号に発行するつもりですがね。そうして大々的に宣伝しようと思っている。第三者でも解るように書いたつもりですがね。実際、いまの肺病製造と同じように、糞や硫安をかけて、わざわざできなくしたんですからね。実に……野蛮人を教育するより、もっと骨が折れます。野蛮人は、最初から解らないんだからやりやすいが、いまの人間は、迷信に固まっているんだから、それをほどいて、新しいのを入れるんだから、非常な骨なんです。
(御論文「農業の大革命 五カ年にして米の五割増産は確実 一」朗読)
〔「著述篇」第一〇巻三五四-三六二頁〕
これは、いままでにいろいろ言ったことで、初めて読む人に解らせるべく……基本的なんです。
次のは、いままであんまり言わないことがありますからね。
(御論文「農業の大革命 二」朗読)
〔「著述篇」第一〇巻三六二-三六六頁〕
だいたい、理屈はこれで解るだろうと思ってますがね。あとは各地からの報告ですね。やっぱり、だんだんうまくいってますが、本当に四、五年続けた人のはないんです。たいていは二、三年くらいですね。それでも、年々良くなるということは、はっきり解りますからね。充分信じられるわけですね。いま、終いにも書いてある通り、科学、科学と言うが、世間で言っている科学は、いま言った通りビッコの科学ですからね。本当の科学じゃないからね。半分の科学だから、科学であっていてうまくいかない。逆効果になるからね。病気と同じですね。自然栽培というのは、いままでの世間の科学とは違いますよ。世間の科学のほうが、ずっと幼稚です。こっちのほうが進歩した科学です。向こうの科学は、迷信科学ですね。それを心から解れば良いんですね。
この間新聞に出てましたけれども、茨城県でしたかね……ある農村で客土をすると、非常に成績が良い。で、今年から全村に客土するということが書いてありましたが、あれを見ても、良く解るんです。つまり、客土というのは新しい土ですからね。肥料のない土ですからね。新しい土を入れると増産になると言うんですから。それだけでも解るんですよ。なにしろ肥料迷信にかかっているからね。つまり、新しい土を入れないと、土の養分が減ったために穫れないんだから、新しい土なら肥料分があるからという考えなんですから、実に……迷信というのは恐ろしいものなんですよ。それで結局、人間の病気と同じように、肥料は……人間が薬と思って毒を飲むのと同じようなもので、農業のほうも、肥料……つまり作物に対して、栄養分というように思って、実は毒をくれてやって、そうして栄養をなくするという逆効果ですね。ちょうど同じようなものです。
いま書いているのは『結核信仰療法』という本ですけれども、これは、いろいろな広告をして一般人に読ませるんで、信者向きじゃないんですがね。それに対して、ちょっと参考になることがありますから読ませます。
(御論文「黴菌の発生」朗読)
〔「著述篇」第一〇巻五八-六二頁〕
学校の講義みたいですがね。やっぱり、現代の人間を解らせるには、学問的、科学的に説かなければ信じないですからね。
次もちょっとおもしろい……この間も話しましたけれどもね。文章にすると、またおもしろい点が出ましたので読ませます。
(御論文「速度の芸術とピカソに就て」朗読)
〔「著述篇」第一〇巻三四六-三四八頁〕