昭和二十七年一月五日 教集06 (4)

(御論文「奇蹟と宗教」朗読)〔「著述篇」第一〇巻四〇九-四一一頁〕

 結局、奇蹟というものは、人間の利益になることですね。それが、幸福になるとか、得をするとか……それが奇蹟なんです。あと……不思議なことをしてみせるのは魔術なんですね。それを、よく混同するんです。ちょっと不思議なことをしてみせると、すぐありがたがって頭を下げるんですが、そういうときによく考えて……こういうことを人
に見せて、どれだけ人が救われるかということを考えるんです。そうすると、一つの見世物的になります。それではいけない。宗教を看板にするなら、それに救われなければならない。よく、神霊会でやりますが、こういうのもそれですね。救われなければならないんです。霊があるということが分かっても、自分の病気が治らなければしようがないですね。その区別も良く知っておかなければならないですね。また、その区別を、良く説明してやらなければならないですね。話はそれだけにしておきましょう。

「『御教え集』六号,講話篇第六巻p365~366」 昭和27年01月05日