昭和二十六年十二月十八日  『御教え集』五号 (1) 

御伺い 連れ子をしてS家に再婚し、その末子(I・T二九歳)は昭和二〇年の暮れごろより失恋の結果神経衰弱となり、悪化して二二年春ごろより完全に精神病となり、二四年九月M精神病院に入院、各種療法、電気治療を三六回ほど繰り返しました。また仏の因縁とて霊友会に入会し、一心に供養いたしました。それよりしだいに快方に向かい、本人の希望により退院を申し出ましたところ、まだ完全な治療を施してないので、完全に治癒していない。とにかくベストを尽くすべきだ、とて強いられるままに手術をし、その経過香しくなく、「九分九厘は治癒したが、後の一厘が治癒しない。しかし、現代医学の最善を尽くしたので、これもやむを得ない」と言われ、手術前より悪化したまま、本年一月退院し今日に至っております。去月一〇日にお道のことを聞き、さっそく御浄霊をお願いいたしました。御浄霊前は常識外れのことばかりいたしておりました。私の浄霊は厭がりましたが、支部長先生の御浄霊はおとなしくいただき、最近ではたいへん落ちついてまいり、熟睡できるようになり、顔の艶も良くなり、目玉も上がりぎみで白眼がちでありましたが、少し下がって黒眼がちとなり、声もたいへん静かになってまいりました。電気療法や手術をいたしておりますが、今後どのようにいたしましたらよろしいでしょうか。なおどこを主に浄霊いたしましたらよろしゅうございましょうか。主人は頑固で信仰を嫌い、近所の家を借りて、そこに出張いただき御浄霊をいただいております。なお、Tが退院後間もなく、霊友会でいただいたもの(仏壇中央に貼るもの)をはがして破り棄てた後は「位牌が見えなくなった」と言って、仏壇内のものを全部払い落とし、ボロや自分の脱ぎ捨てたものなどを押し込んだりいたします。なにか先祖関係、霊的関係がございましょうか。

御垂示 位牌はどうしたんですか。霊友会では、位牌を片づけますがね。霊友会じゃ、位牌は撤去しますよ。
位牌は、昔からある黒いのに金で書いたのですね。

御伺い そこまでいっておりません。

御垂示 やっぱり……仏壇屋でこしらえているでしょう……金で字を書いた、黒く塗った……あれを使わなければならない。白い紙や白木は四九日までなんです。それ以後はちゃんと金文字にしなければいけないんです。それを、さっそくこしらえてやりなさい。こういうのは、祖先がちゃんとしたのをこしらえてもらいたくて憑るんですからね。それから精神病というのは、眠るようになったら必ず治るものです。眠れるようにするには頚、延髄……たいてい右ですが、左の場合もありますから……固まりを溶かせば眠れるようになります。眠れるようになれば、必ず正気になるんです。だいぶいじって壊してますから、ふつうになるのは四、五年ですね。こういうのは、病院やなにかでいじくってあるのと、そうとう長いので、長くかかりますが……精神病で、一週間か一〇日のなら治ってしまいますがね。こういうのは、そうとう壊れてますから、そういう意味で気長にやるよりしようがない。しかし、結局は治ります。年限で治るに違いない。それから前頭部、頚……前頭部の中ですね。なにしろ、頚のまわりと、熱い所がありますからね。そこを主にしてやるんです。そうすれば、必ず治りますよ。

御伺い 主人が反対なので、外で御浄霊してますが、そのままでよろしいのでございますか。

御垂示 しかたがないです。

御伺い 祖霊でございましょうか。

御垂示 いろいろなものがあります。狐もありますしね。それから、祖霊の中でも順繰りに憑ります。それから……人間のような、獣のようなものがあります。これは、人間が狐になりきらない……半分のやつが……いろんなものがあります。主人公が入信すれば、早く治りますが、そうかと言って無理に入れるわけにはいかない。先に治してね ……そうすると、自分のほうから入りたくなりますよ。やっぱり、主人公が入信しないというのも、わけがあるんですからね。

御伺い 霊友会に入っておりましてもよろしいので。

御垂示 悪くってもしようがない。そういうのは、神様にお任せして時日を待つんですよ。そうするとそのうちに祖先が働きますから……祖先が主人をやりますから……どうしても、急ってはいけないですね。

「『御教え集』五号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p245」 昭和26年12月18日