〔 質問者 〕自然栽培の御垂示は良く解りますが、経済的に困難となっており、またこのままで行くと減っていくんじゃないかという考えがいたし。
しかしそれはあたりまえで、私が言った通りです。最初は減る場合があると。それはだんだん続けて行って、肥毒がなくなるにつれて増産になる。というのは、私が言ってある通りです。経済上にあるなら、いっぺんにやらないで、仮に一町あるとすれば、そのうちの二割なら二割……最初はね。二段だけやる。それから、その次は三段やる。次に四段やる。すると、いっぽうの有肥のほうはいままで通りやる。無肥料のほうがいったん減っても、だんだん増えていく。そういうように、漸進的にやると良い。土地によって、肥料を多く使う所と少なくする所が、非常にあるから、そういう所は肥毒をよけい受けている。だから、肥毒が減るのに暇がかかると言うんだ。酒飲みでも、うんと大酒飲みもあるし中くらいもある。大酒飲みはうんと暇がかかる。
〔 質問者 〕一般からは、事実は事実だと、自然栽培をぜんぜん受けつけられません。
それはしようがないじゃないか。薬毒のひどいのと同じで、薬毒のひどい人を、じきに健康にしようとしてもできないからね。その理屈の解らない人は、解るまでおっぽらかすよりしようがない。解った人は良いが……肥毒が抜けるのを待つよりない。それも厭なら止すよりないね。
「『御垂示録』五号、岡田茂吉全集講話篇第四巻」 昭和26年12月08日