昭和二十六年十二月六日 『御垂示録』五号 (7)

 昨日なんか……静岡で公判があってね。あそこの邪神の活躍というのはたいへんなものです。安田屋と言う……あそこに行くと一人も迎えに出ないんです。おかしいなと思って入って行くと、一人玄関に出てきてびっくりしたような顔をしてた。二階に新しい座敷をこしらえてあるが……二度ばかり入ったが、そこに入った。泡食って雨戸を開けてない。おかしいなと思ってね。いつも、稲葉さんと信者の娘さんと、あと水取さんなんかが、必ず出迎えたんです。それが、蔭も形もみえないでね。とにかく、これは徒事ではない、とこう思った。ちょうど、不意のお客が宿屋に飛び込んだようなものです。それで、聞いてみると、汽車に事故があって、熱海発が遅れたんですね。それで、来られなかった。それからして、雨戸を閉めてあったのは、女中が気をきかして、床の間に日が当たるので日を避けるために戸を閉めたというが、ちょっと変ですね。床の間は、三〇分や一時間日に当たっても、たいしたことはない。私よりも床の間が大事ということになる。女中の頭ではそんなものですね。そうして、そんな具合で分かったんですがね。というのは、邪神は始終そういうことをしたりして……汽車を止めたのも邪神がやったとみなければならないんだね。というのは、そうして私を……要するに、奉ったり、良くするようにしないようにする。というのは、霊界ではそうすると、私の光なら光がそれだけ薄くなる。それを狙っている。ちょうど、神様の……御神体と同じで、一人か二人拝むより、一〇人拝むと光が違っちゃう。邪神は、それを非常に狙っている。本当と思えないことがよくあるんですよ。私に関係したいろいろな……周囲の者は、邪神が腕によりをかけて、多勢狙っている。信じられないようなことがよくありますよ。一番……邪神は光が脅いんだからね。だから、光の……要するに、電灯ならキロワットをね……少なくしようしようという、それが邪神が最も狙っているんですね。光が強くなれば、救われる人が多くなるからね。救われる人が多くなると。自分のほうが……敵が力を出すんだからね。だから、私の光を薄くするということを努力しているんですね。まだいろんなことがあったね……昨日は。

 だから、邪神と言っても、邪神と言うと未信者に憑くように思うけれども、あべこべなんです。連中が一番憑きやすい……憑きやすいと言うより、狙っている。そうでなければ、邪神の力の強い奴は狙うんです。大本教のお筆先に「何時も抜身の中に居る様な気持でないと危ないぞよ」「悪神が狙いつめて居るから一寸の油断がありても……」そういうのがありますね。それが、邪神が悪いことを言うんなら、それは分かりますがね。良いと思って悪いことをやられるんだから脅いんです。 これが良いと思って……御本人は一生懸命やるから、 それが大きなお邪魔になったり……それが脅いんです。そういうのは、邪神でも高級の……智能的な邪神です。これは、信者でなくジャーナリストに憑るので、智能的な邪神ですね。メシヤ教というのがいけないから、大いに攻撃してやれとか、やっつけてやれとか、始終私語くんです。それで、やっこさんがその気になって、口惜しそうになって書くんです。どうして、あんなに口惜しがるかと思うくらいにね。この間の山彦学校もそうです。考えてみると、邪神も情けないんですよ。もう間がないんだからね……やっこさんたちが往生するのはね。

「『御垂示録』五号、岡田茂吉全集講話篇第四巻」 昭和26年12月06日