昭和二十六年十一月二十八日  『御教え集』四号 (2) 

御伺い 当年六歳の男子、昨年七月玩具のラッパにハンダにて取り付けてありました金具(長さ八分くらい、まわり六分くらいの円筒のもの)これを口の中に入れて弄んでいるうちに、誤って飲み込み、その刹那は非常に苦しみ顔色は真っ赤になりましたが、寸時にして収まり、家人もあまり気に留めず、検便もせず過ごし、その後は非常に感冒に罹りやすく、その都度高熱を出し呼吸が荒く、食欲は減退いたし、たびたび嘔吐を催し、医診の結果は、甲は小児結核と診断し、乙は肋膜と言い、種々に診断が異うため、最後にレントゲン写真の結果、左肺最下部に右の金具があることが分かり医師の言うには、この器物を吸い込み、器管を通り現在肺臓内にあるゆえ、左肋骨最下部一本を切り取り摘出手術以外に方法なしとのことでしたが、子供の母親は四年前入信しており、手術することを嫌い、ぜひお道にて御救いをいただきたいと熱心におすがりいたしております。もっともレントゲン写真は、田舎のこととて医者自身が自信を持てず、もっか東京の専門透視家の鑑定を依頼中とのことでございます。いままでものを嚥下する場合、ごはん一粒すら気管へ移行のときは咳により吐き出されますのに、かかるブリキ製の危険物がはたして肺に入るものでございましょうか。万一医者の言う通りでも、御浄霊にて御救いいただけますものでございましょうか。

御垂示 肺に入ったというのは嘘ですよ。こんなものが肺に入るわけがない。第一肺に入るというと、息道のほうから吸い込まなければならない。食道からで入るわけがない。入って腸に行ってないから、横っちょのほうに止まっている。たいして心配ないです。しばらくすると、少しずつ少しずつ溶けてきます。人間の熱はたいしたものです。よく、ガラスを食べたり、釘を食べたりするでしょう……見せ物でね。なんでも食べるでしょう。あれと同じ理屈ですよ。これは、だんだん……金でも溶けてくる。それで小さくなってきます。ある時期になると軟らかくなって、便になって出ます。ほったらかしておくと良い。ただ、浄霊するんです。金物が軟らかくなる。金物の霊ですね。人間の体に異物が入ると……器物なんかは……こう(浄霊)すると、霊が薄くなる。希薄になる。それで、体の金というのが、しなびたり、溶けたりするものです。人間の体は良くできている。体の熱というのはたいへんなものなんですよ。体温でならば、何度と言うが、腹の中の熱というのはたいしたものです。つまり熱の霊ですね。体のほうはたいしたことはないが、霊のほうはたいしたものです。これ(浄霊)だってそうですよ。一〇〇度か二〇〇度はあるでしょう。

 私のなんかは一〇〇〇度くらいある。霊ですからね。私がやると、熱い熱いと言いますが、霊も……力があるとそうなるんです。人間の体も、そういうことがあります。で、金の霊のほうが溶けるから、体のほうが溶けて減っていくんです。心配しないで、そこの……左の肺の下ですね。在る場所を浄霊して……それで良いです。やっぱり咳が出たり、いろいろすることはあるでしょうが、それは別に……これのためばかりじゃないです。しかしいくらか、この金が溶けたためもあるでしょうが……そのための浄化と思いやすいんですね。

「『御教え集』四号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p」 昭和26年11月28日