これについて、書き足りない点があるんですがね。霊視能力というのがありますね。人間は……霊の見える人ですね。始終見える人は狐が憑いているんですね。だから危ないですね。肝腎なことを正守護神が知らせようとする場合に、ちょっと……パッと見せるんですね。これは本当です。それから、光が見えるのがあるが、これは差し支えない。よく、人間の姿ですね……そういうのが見えるのは……始終見えてはいけないですね。必要なときにちょっと見える。それで、神様は……本当の神様は実に簡単なものです。無駄がないんですね。ですから、人間も本当に信仰が徹底してくると、そういうふうになるべきものですね。それは、他愛ない……ふつうはいくらしゃべっても、おもしろくても、唸っても良いですが、肝腎なことは、急所急所に触れる。それが神様のやり方です。よく……女に多いですが、のべつまくなくベラベラしゃべるのがありますが、これは狐がしゃべるんです。なにをしゃべったか解らないような……それがよくありますがね。まくし立てて、人にしゃべらせないですね。話でも、人に話させないようにするのは狐霊と思って良い。話は聞かなければならないですね。だから昔から「話し上手に聞き上手」というのがありますからね。しかし、聞くだけで……感心したり、解ったなと思うと、あんがい解らない。そこで、一番良いのは、人の話を良く聞いて、隙ができたら、こっちの話をする。それからもう一つ受け答えですね。受け答えが満足にできる人は、外国人にはあんがい多いですが、日本人には割合ないですね。受け答え……返事が急所をはずれる人が多いです。聞こうと思うところにぶつからないで……それは聞き手のまずい場合もありますが……私なんか、なにか聞いたり話したりしても、それに対する受け答えが満足なことはめったにないですね。それで、その人が頭が良いか悪いか一番分かりますね。男には割合多いが……女のほうにはまことに申し訳ないが……非常に少ない。
「『御教え集』四号、岡田茂吉全集講話篇第五巻」 昭和26年11月15日