昭和二十六年十一月十一日  『御教え集』四号 (1)

御伺い 昭和一九年一月、娘たちに奨められるままに、なんとなく講習を受けましたものの、生来の無信仰者(電気技師で、なにごとも科学的に理解するため)で、御守り様もおかけいたさずおりますうち、昭和二四年二月風邪にかかり、咳が一週間ほど続き、突然左の耳がジーンと鳴り出し、耳鼻科医師の言によれば、欧氏管の入口ならびに、深部に数個の鼻茸ができているのが原因と診断され、病名は「急性中耳カタル」とつけられました。さっそく鼻茸は手術により除去し、欧氏管通風を行ないましたものの耳鳴りはいっこう止まず、しだいに耳がふさがった感が強くなり、頭が重くなり始めましたので、各所の専門医の治療を受けましたが効果なく、病名もマチマチにて判定せず、最近での専門医の意見によれば「内耳の一部分が硬化症ならん」とて、これに対する治療法に関しては適当な方法なしとのことで、耳は過去三年間鳴り続け、ふさがった感じと頭重が続いております。
 
しかるに昨年の暮れより本年春にかけて頭重も激しくなり、心臓部に刺激性の痛みを感じ、ときとしては歩行も困難になるようになりました。内科医の言によれば「内耳硬化が脳神経を刺激して生じた一種の神経性の心臓疾患で、一時的のもので時期が来れば治るだろう」とて、本年初夏ごろまでにブドウ糖、ビタミンの注射を約三〇本くらいいたしましたところ、耳鳴り、頭重は治りませんが、胸部の痛みは治りました。折から、熱心なる本教信奉者として、日ごろあまり共鳴いたしかねておりました娘の奨めで、御浄霊をいただく気持ちになり、七月上旬より教会に通い始めましたが、耳鳴りはたいした変化も見られぬうちに、八月上旬自宅において、脳貧血症状を起し倒れましたので、爾後出張御浄霊をいただくことになり約一カ月、九月中旬までいただきましたが、その間三度大きな脳貧血的発作で倒れ、苦しみました(気分が悪くなり、頭重とともに頭がクラクラとし目がまわり倒れてしまいます)。日々頭重と目まいが絶えず起りそうな不安に迫られながら、九月中旬まで続きましたが、御浄霊の効果に疑いを生じ、一時御浄霊を休んでおりましたところ、一〇月上旬またまた大きな発作で倒れ、医者の診断によれば「身体全体から言えば神経衰弱であり、部分的に言えば脳神経から来た脳貧血で、原因は耳であるから、耳が治れば頭重および目まいも治るが、耳は治るかどうか判らぬ」「神経衰弱を治すために転地でもしたら良くなるだろう」と、まことに心細い答えにて、転地をするにも日々の頭重と目まいの発作を考えれば、身体を動かすことも恐ろしくて、それもできず。このうえはどうしても光明如来様におすがりいたすより他はないと感じ、信仰心も以前よりは多少起りましたので、再度御浄霊をいただくことになり、新しい御守り様も拝受いたし、今日まで御浄霊をいただいてまいりましたが、御守護によりその後は倒れるような大きな発作は起りませんが、それでも始終頭重と耳鳴りとがあり、目まいが起るのではないかという恐怖感があり、胸もときどき痛み、足もズキズキ痛み、時折、背中数カ所に痛みを感じており、気分の良いときは、一日にわずかの時間です。

 しかし御浄霊をいただきますと楽にしていただけます。耳は聞こえなくなっても、頭重と目まいさえ取れてくれたらと願っておりますが、この症状はお救いいただけるものでございましょうか。原因は単なる薬毒の浄化作用でございましょうか。あるいはなにか霊的原因がございましょうか。なお、既往症といたしましては、約二五年前胃痙攣で苦しみ、モルヒネ注射一〇本ほどいたしました。また約二〇年前脳溢血症状で倒れ、氷冷二カ月後、軽度の中風症状のため指圧、鍼灸、電気、光線などあらゆる民間療法をやり、たいした効果なきまま仕事を休み、毎日ブラブラと釣りなどをしておりますうちに、いつの間にか良くなりました。この七年間仕事を休みました。右延髄部に二回腫れものができましたが、切開手術で治しました。慢性胃腸病のため、消化剤はたくさん服用いたしました。

 なお、祖母W・F(昭和二三年一二月四日帰幽いたしております)生前無信仰のため、骨壷とともに御守り様を埋葬いたしましたことを謹みてお詫び申し上げます。

御垂示 耳鳴りはいっこうに止まらず……ああ、見当が違っているからですね。これは医者の手術がこしらえたものですね。時期が来ると治るだろう……というのは、お医者のない国みたいだね。お医者はなんのためにあるのかね。これは、なんでもない病気なんですがね。欧氏管通風……これは悪いんですよ。欧氏管通風というのは、鼻の穴に管を入れるがね。耳鳴りは見当違いです。延髄です。わざわざ病気をつくっちゃった。鼻茸を手術で除去……除去したのは差し支えないが、そのとき消毒薬を使うから、それが原因となる。そのときうっちゃらかしておけば治ったが、わざわざいっそう輪をかけて作ったんですね。もっと作ったら命がなくなってます。オデキが二度できたというのは、ここ(延髄)に固まっている。頭重というのは消毒薬中毒が頭に滲みて重くなったんだからね。内耳硬化……こんなものはでたらめだね。胸が痛いのは、肋間神経が少しある。いままで服んだ薬がすっかり固まっているんです。これは浄霊をやれば治ります。鼻茸……欧氏管……これはたいしたことはない。脳貧血……こういう人は、ここ(後頭部)にあってこれ(咽喉)にあります。毒の固まりがね。しかしふつうの脳貧血でなく、ここ(咽喉)の浄化熱が起ると、この熱がここ(前頭部)に来て目まいが起ります。これ(咽喉)とこれ(延髄)だからこれをすっかり浄霊すれば治りますよ。なんでもない。転地をしたら……よく転地ということを言いますが、あれは滑稽なんです。転地とか空気の良い所とか、いろんな所に行きますが、そういう所は病気はないようだが、やっぱり、そういう所にも、病気がありますよ。まあ、一生懸命に神様におすがりして浄霊してもらうんです。それから、御神書……神様の本を、できるだけ読みなさい。そうすると請け合ってすっかり治ります。延髄部に二回……切開手術……このときの消毒薬が滲みてますからね。これがたいへんな原因になってます。それから、霊的関係はぜんぜんありませんからね。その懸念はいりません。

御伺い 脳貧血を起すと、祖母の御守り様を骨壷に入れたことを申し訳ないと申します。

御垂示 それは、神懸りでですか。

御伺い 脳貧血を起し、苦しくなってくると、そう申します。

御垂示 最初、講習ですか、したときに……無理に奨めたんでしょう。

御伺い Sさんがお道にたずさわっており、いただけば良いということで。

御垂示 本人の気持ちでないでしょう。無理は決していけないですね。無理に押しつけたりするのは、なぜいけないかと言うと、神様を冒涜することになる。神様は……人間が、どうかお助けくださいというのが、本当で、それは神様の扱いですが、とにかく神様を侮辱することになる。だからたいへんな御無礼になる。これはSさんが、よくお詫びするんです。それで、もうできちゃったのはしようがないから、お詫びして、今後そういうことはないように。

御伺い 父が御守り様を掘り出してと言うのでございますが。

御垂示 焼いたんでしょう。

御伺い 焼いておりません。

御垂示 気になるなら掘って出したら良い。それでも差し支えない。出したら、よく包んで、浄い所にあげておけば良いです。それから、病気は霊的じゃありません。病気は、お医者で作った病気です。

「『御教え集』四号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p137」 昭和26年11月11日