御伺い 長野県Y町のK・M(四一歳。本年六月入信)と申す信者でございますがカフェーおよび美容院を経営し、女給、見習など三名を雇っております。そのうち二名の女子(未入信)が不思議な霊憑り状態となりました。最初は先月二八日より、二人が前後して薬毒の御浄化をいただき、激痛を訴えましたが、不思議なことに、たいてい二人同時に痛み出し、御浄霊をいたしますと体をくねらせ、猛烈に痛みを訴えておりましたが、三〇日より、やはり二名同時に激痛後失神、霊憑り状態となりました。その状態は、最近不品行や同僚に対する暴行などのため解雇された他の女給の生霊と思われるものに苦しめられ、二人とも同様に首を締められたり、脅迫されたりする情況を寝言のようにしゃべり、気がついてから、失神中にしゃべったことと同様に、苦しめられた情況を話すのでございます。また、他の死霊が引っ張るようなことを申す場合もあり、二名とも定まって、激痛後は同時にグッタリとなり、眠ったようになって失神いたします。このような状態は九月三〇日より今日までに五回ほどあり、失神の時間は、初め二時間くらいでしたが、去る六日には一〇時間も続きました。以前服用いたしましたクレオソート、胃腸薬、杏仁水、石炭酸などを嘔吐いたしておりますが、食欲もあり元気で、熱も脈も平常でございます。二名とも入信を希望しており、真剣におすがりしております。この少し前に、以前この家の奥さんが、熱心に信仰しておりましたお不動様の幣束を、教会に相談なしに破って焼いてしまったそうでございます。また、同じころに御屏風観音様をお祀りしてある仏壇を、猫にひっくり返されたこともございます。この家の主人は、入信前までは世を果敢無み、自暴自棄的になり、大量に飲酒し、酒乱のごとく暴れ、その結果心臓狭窄となり、卒倒するなど、結婚後十数年、そのために家庭不和が続きましたが、入信後生まれ変わったようにお救いいただきましたので、その喜びは一方でなく、今日では夫婦とも真剣に神様におすがりいたし、布教に専念しておられます。K宅には一〇年ほど前に注文して彫らせた龍の木彫板(縦二尺、横三尺くらい)がございますが、なかなか良く彫ってあります。奥さんが申しますには、主人が酒乱になりましたのは、この木彫板を入手して以来のように思われるとのことでございますので、この浄化と関係があるかもしれぬと思い、念のため生米、水などを供え、祝詞を奏上いたしました。ただいま、御神体をお迎えいたすべく準備中でございますが、それまでの間、中教会本部より光明如来様をお借りいたし、御奉斎させていただくこととなりました。この憑霊は生霊だけでございましょうか。木彫板の龍や、この家のカフェーという職業に関係のある邪霊のいたずらでございましょうか。またこのような場合には、いかがいたしましたらよろしいでしょうか、御教えのほどお願い申し上げます。
御垂示 これは龍神が関係あります。これは非常に良く彫ってあると、よけい霊が憑ります。たいてい、彫刻や絵で良くできていると憑り良いんです。それで、この祖先で、龍神になったのが、このカフェーに憑っているんですね。二人の女給の浄化が行なわれているのと、生霊や死霊がいろいろ憑っているんですね。これは主人に見せるんです。霊界があるということを……霊があるということを、良く分からせて、信仰的に働かせようという考えですがね。その場合、木彫の龍神が、やはり働かれるんです。それで、木彫の龍神の独自の考えでなく、祖先が働いて、龍神を働かせている。そうして、神懸りによって分からせ、信仰を進ませるというのです。大量に飲酒……その当時から計画的に龍神がやったと見られますがね。そうして大いに信仰を深くさせて、大いに宗教的に良いことをさせようというわけですね。ですから、女給二人も無論信仰に入りますが、これもその道具に使われているわけですね。ですから、こういう……霊の憑り良いのは、今後もいろいろと霊が憑って教えたり、良いことをしますから、いっこう心配することはいらないです。
それから、不動さんの幣束を破って焼いた。ということは本当ではないですから、よくお詫びしておくと良い。光明如来様を祀ってなければ、お祀りしてから、不動さんの幣束を破ったことを、不動さんに許してもらうように、光明如来様にお願いすると良い。光明如来様がやってくれますからね。猫にひっくり返されたというのは、これはなにか意味があるんです。猫を使ったんですが、御先祖が気に入らない点があるので、やったんですね。
御伺い この商売はすぐに止めるべきでしょうか。
御垂示 あわてて、止めなくても良い。それは神様にお任せしておくと良い。どうしても止めなければならないようなときには、すべてがそういう事情になります。例えて言えば、止めても食うに困らないような収入があるとか、それまでは両方になるとか、無理にやらなくても自然にしておけば、支障なく楽にいけるようになる。結局はそうなりますが、それまではあわてなくても良い。
御伺い 光明如来様お祀りの後、木彫の龍はいかがいたしましたらよろしいでしょうか。
御垂示 どこに置いてあるんですか。
御伺い 床の間の隅に棚を作り、そこに。
御垂示 それで結構です。
御伺い お供えものはよろしいでしょうか。
御垂示 水をやると良い。水を鉢かなにかに入れてね。それから、月に一度ずつ月並祭のとき、お盛りものをすると良い。水は絶対に必要です。毎日それに入るんですからね。龍神は体が熱して苦しいんですからね。一日に三度入るとしてあります。水も、飲む水と入る水とは違うんです。飲む水は月に一度で良いのです。