昭和二十六年十月十一日  『御教え集』三号 (1)

御伺い 妻C(三五歳)昨年七月肺浸潤と診断され弟S(三二歳)も昨年一一月肺門淋巴腺および肋膜と診断され、いろいろと療養いたしましたが、思うように快復の見込みもなく、本年一月七日大本教に入信、大本教の御神体も祖霊神もお祀りいたしましたが、病状は日に日に悪化して行くばかりで、迷っているところに救世教のお話をお伺いいたし入信。妻と弟を浄霊させていただき、一週間くらいで御守護をいただき、絶対安静を宣告された妻も弟も起き上がり、散歩するようになり、弟は好きな魚釣りに行けるような元気になり、五月に妻と弟が入信。六月には弟の妻も入信させていただきました。五月中旬ごろより、弟が浄化をいただき左右全体が浮腫し、激痛が伴い、浄霊をいただくと少しは楽にさせていただいておりますが、最近腹部が腹膜状態に浮腫し、呼吸も苦しく、右側を下にして寝ると楽ですが、上向きや左側を下にして寝ると苦しみます。七月二〇日に御神体ならびに御屏風観音様もお祀りさせていただいております。なお大本教の御神体は大光明如来様の右前に安置させていただき、大本教で祀った祖霊神は新しく位牌を作って、仏壇にお祀りさせていただいております。なお先祖に、祖父が四三年前、水溜まりに身体に石を括りつけ自殺いたし、姉も一八歳より癲癇にて一五年前、三一歳にて死亡、妹(三六歳)は一八歳より精神病に罹っております。右弟の御浄化は霊的なものと存じますが御浄霊の重点につき御教えお願い申し上げます。

御垂示 これは霊的ではありませんよ。やっぱり薬毒ですよ。薬が溶けて下がってきたのと、先に下がって足に固まっていたのが溶けてきたのと……両方ですね。これは浄霊すれば、だんだん良くなります。腹膜状態……これも薬毒ですよ。右側を下にする……というのは、右側のほうに溜まっているからです。それで左側を下にすると、肺を圧迫するからですね。これは肺から胸のほうにかけて溶けている。それから、上向き……というのは、胸のほうに毒があるため、上向きになると圧迫するから苦しい。これは気長に、だんだん溶かしていけば治りますがね。

 いろいろとだいぶ罪穢れがある家ですね。ところが、腹膜のため……に病気で苦しむんじゃないんですよ。これはおもしろいのです。病気で早死にするのは、医者にやられるんですからね。医者にやられて命をなくする……というところに罪がある、というのは、御守護がないんですね。医者の思うがままにやられる。それに気がつくような、なにかが起らないというのは、神仏の守護がない。守護があると、教えてもらえる。守護があると、知らされてびっくりして医者を離れて助かる。間接でなくて、結果において罪が禍するというわけですね。この例として……良い例がある。私が、いまから三六年前に、歯で悩んだと書いてありますが、ある東京中の有名な医者に行って……なにしろ四本痛むんですからね。それは薬毒のためだったんです。それに気がつかないで、ますますほうぼうの歯医者に行って薬をつけた。終いに、有名なアメリカ帰りの歯医者ですが、私の知っているだけの薬はみんなつけたが駄目だ。私の友達が来月アメリカから帰ってくるから、なにか新薬を持ってくるかもしれないから……と言うんです。それで、頭がだんだん変になってきて、発狂するか、自殺するか、どっちかの運命だ、というどん詰まりになった。ところがときどき来る人で、日蓮宗の行者ですばらしい人で、どんな病気でも治る、と言うので、一遍行った。すると、一週間やってご覧なさい。その間は歯医者に行ってはいけない。と言うので、歯医者を止して、東京から毎日横浜に通った。そうすると、四日目かに、汽車に乗っていると、いままで幾月にもこんなことはない。良いんです。行者の行が効いたんではない。そのときふっと思ったのは、歯医者で薬をつけた。そのためではないかと思った。行者で治ったという形跡はないんですが、とにかく薬が原因ということが分かった。それで、薬を止めて嗽をしたりしていると治ってきた。今日でも、まだですが、いまでは慣れたんです。いまでも、話がはっきりいかないというのは、痛むんで加減してやっているからです。日蓮宗の行者にめぐり会ったということが御守護です。無論、神様がやられたんですがね。将来、私に重大使命があるので、助けてくださったんですがね。そのときはじめて、薬というのは恐ろしいものだ。薬毒ということも知らなかった。そうすると、今日人を助けることができなかったかもしれない。神様のお仕組みといえば、お仕組みですね。それからというものは、風邪引こうが、扁桃腺の持病がありましたが、薬をつけないで、医者にもかからないで、だんだん丈夫になってきた。そうすると、西洋医学は間違っているというので、医学衛生のあべこべにやったんです。そうすると、どんどん丈夫になった。自分の体で、医学の間違っていることが判った。ですから……腹を冷やしてはいけないと、昔から言うが、それで、温めずに冷やしたほうが良いと思った。私の子供なんかは、昔から一人も腹巻きをさせません。そうすると、以前はよく下痢なんかしていたのが、温めないようになってからは、下痢なんかしなくなった。だから、いまでも言うんですが、丈夫になりたいと思ったら、医学の反対をすると言うんですね。

「『御教え集』三号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p37」 昭和26年10月11日