昭和二十六年十月八日  『御教え集』三号 (7)

(御論文「弥勒三会」朗読)〔「著述篇」第一〇巻二九八-三〇一頁〕
御教え この経と緯について、おもしろいことがある。大本教の教祖さんは、大本教では「五の御魂」と言っている。出口王仁三郎先生……聖師様というのは「三の御魂」と言っている。それで、五と三になっている。経と緯になっている。だから、教祖の時代には厳格で始終きちっと座っている。ですからお筆先というのは、非常に厳格に書いてある。それに引き替え聖師様のほうは、極端に反対で、始終寝ている。「わしは三の御魂で、水は横に流れるから、仕方がない」と言っている。聖師様がいる建物があるが、そこに始終蒲団敷いて、入るとすぐにごろっとなる。著述も寝て書くんです。それで手入れのとき、各部屋に蒲団敷いて枕があるので、この部屋に女を置いて、たいへんなことをしたと疑われた。そんなわけで、片っ方は経、片っ方は緯で、これを大きくすると東洋文明……経の文明ですね。西洋文明……緯の文明となる。大本教は、教祖様のやり方で失敗し、聖師様のやり方で失敗して、その間に生まれたのが伊都能売で、私が伊都能売になる。釈迦、阿弥陀、観音……これが一緒になったときが弥勒三会になる。だから、弥勒三会はもうすんだんです。東洋の経で失敗し、緯の西洋文明も失敗した。経は善になり、緯は悪になるんですが、東洋……経は、善で失敗した。それで、東洋人は善なんです。インドやビルマ人なんかですね。支那は緯が入りましたがね。純粋の東洋人は実に善なんです。西洋文明は、悪の文化です。ところが悪の文化は必要なんです。物質文化は、神を否定しなければ発達しないんですからね。ですから、いままでは西洋文明で良いんです。だが、それではどうしてもいけない。結ばなければならない。中の文明ですね。いま私が書いている『文明の創造』それが根本なんです。いままでの文明はどっちかに偏っている。つまり、左翼と右翼ですね。どっちもいけない。左翼にあらず右翼にあらず、左翼であり右翼であり、その中心を結んだそれが本当のものです。『文明の創造』はその結んだものですね。そこで、本当の善悪ができるんです。それで、経と緯を良く知らなければならない。バッジの真ん中が伊都能売になる。伊都能売というのは、金属で言うと、金になる。ですから観音さんは黄金の一寸八分となっている。神様は昔から準備してあるんですからね。ですからこの根本を知って、いろいろなものを見ると良く分かる。

「『御教え集』三号、岡田茂吉全集講話篇第五巻」 昭和26年10月08日