〔 質問者 〕三〇人ばかりが共同で持っている山があり、そこに観音さんのお堂があり、一丈五尺くらいの銀杏もあります。今度それを切って、お宮の修理に使いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
いけない。銀杏は絶対に切ってはいけない。祟りますよ。銀杏はふつうの木と別なんだ。銀杏には必ず霊が憑っている。そうとうな霊が憑っているからね。
〔 質問者 〕二尺くらいの木ですが、切って仏像……薬師如来を作って納めましたが、別に差し支えありませんでした。
ずいぶん乱暴だな。直径はどのくらいです。
〔 質問者 〕七、八寸から一尺くらいです。
仏像を造ったからまだ良かったが、さもなければ祟りますよ。いつごろですか。
〔 質問者 〕三年ほど前でございます。
なにもなかったら承知したんですね。
〔 質問者 〕神仏の社のは切ってはいけないのですか。
いけないです。絶対にいけないです。むしろ七五三〔繩〕を張って、入らないようにしたほうが良い。
〔 質問者 〕金神を、小さいお宮をつくって、鬼門に祀っておりますが、よろしいでしょうか。
そのままで良いです。鬼門の金神なら差し支えないからね。
「『御垂示録』三号、岡田茂吉全集講話篇第四巻」 昭和26年10月08日