昭和二十六年十月一日  『御教え集』三号 (3)

御伺い 御神書『文明の創造』の「宗教篇」中に伊弉諾尊様の子供に五柱の神様があり、長男が伊都能売大神、長女が天照大神云々とございました。そして二六〇〇年前のことだと御教示いただきましたが、人類が地球上に生息するようになったのは幾万年も昔のことと思います。伊能都売大神様の父神伊弉諾尊は人類発生の祖ではございませんでしょうか。年代の点で解らないところがございますが、御垂示お願い申し上げます。

御垂示 これはとんでもない間違いです。人類発生というのは、まず……そうですね……一〇〇万年くらい前ですね。一〇〇万年以上ですね。私は神様から、以前に神懸りで、五〇万年前から知らされた。そのときにはそうとう人間だったんですからね。少なくとも人間の形をしていたんですね。伊弉諾、伊弉冊というのは、ごくわずか前ですよ。それを歴史に書いてありますからね。だいたい、天照大神だって、ごくわずか……二、三千年前ですからね。ですから、人代史<神代史>やなにかにいろいろあるのは、みんな近代です。そう思っていれば良いです。神道のほうでいきますと、天御中主尊が最初で、高皇産霊に神皇産霊とある。豊国主尊、伊弉諾、伊弉冊となったんですが、日本では約三〇〇〇年くらい前ですね。ごく近代ですね。そう思えば、なんでもなく分かるんですよ。それまでの歴史というのは、どうせ想像もつかないほど長くかかっている。ようやく人間らしくなったのが、だいたいエジプトですね。あの時代ですね……人類の文化の最初というのはね。だから、だいたい五、六千年前からですね。その前は、文字はなく、半獣生活ですね。私が神懸りで教えられたのは、五〇万年前から七〇〇〇年前までですね。それでパッと終わっちゃったが、七〇〇〇年後が、だいたい歴史で推定できるものですね。五〇万年前を、いずれ私が書きますが、それは、ほとんど獣と人間の間くらいのものでしょうね。みんな穴居ですからね。地に穴を掘っていて……始終獣に襲われるので、獣との闘いですね。そういう生活をしていた。

 いまの神様のことはお伺い事項と違います。病気のことだけですね。私もうっかり答弁しちゃったが……これは特別面会のとき聞くべきものですね。

「『御教え集』三号,岡田茂吉全集講話篇第五巻p9~p10」 昭和26年10月01日