昭和二十六年九月二十三日  秋期大祭御教え(1)

 今日は二回目の秋季大祭です。去年初めて秋季大祭をやったけれども、なにしろ去年は、あの事件から間もないころだったので、どことなく気がさっぱりしないような点が大いにありましたが、今年はだいぶ明るいような感じがして、大いに喜ばしいと思っております。

 それで、この御神業のほうも、まだ具体的には目立つようなことはないけど、言わば、底を流れていると言いますか、一大飛躍の準備というような形成がだんだん濃くなってきた。一番目につくのが、この神仙郷です。あと美術館と、いままで手をつけなかった所を、このごろ手をつけ始めました。美術館と裏の庭園のほうは来年の夏までには完成させます。そうすると、ここの仕事は終わるわけです。それと同様に熱海のほうもだいぶ進展しました。だいたい、庭園のほうは今年いっぱいでできるつもりです。土地のほうは粗方形がついたんですが、いろんな木を植えるんですね。それが、今年いっぱいになるつもりで、いくらか春に残るかもしれませんが、ただ熱海のほうは新しく手に入れた土地ですね。晴々台の左手のほうに大きな山ができます。それでだいたい土地のほうは形ができるんです。そうして植木のほうは、真ん中の山にツツジを二〇〇〇本植えている。だいたい、今年いっぱいに植わるはずです。ツツジが二〇〇〇本と言うと、おそらく日本中にないと思います。いかに壮観であるかは、ちょっと想像はできないくらいです。これがおかしいので、ちょうど三、四年前に、箱根の芦の湖の傍に岩崎の別荘があり、庭にツツジがたくさんある。植えたときから二、三十年くらい経っている。大きくなりすぎているくらいで、半分買ってくれないかと言うので、買おうと言った。別になにも予定はないんですが、神様がいずれ入り用があるだろうと思って買ったんです。かなり大きいです。このテーブルより大きいです。この倍くらいある。周囲を見ると、二本三本と寄せ植えになっている。だから、本数にすると二、三千本になる。それを移植して、一本一本移植すると、だんだん大きくなって、いまちょうど良い。箱根にもあるし、熱海にもある。それが、ちょうど二〇〇〇本で間に合うわけです。そのように、山とか……上の土地なんかというのは夢にも思わなかった。それが、今日になってみると、そのとき神様が準備されたということが良く分かる。こういうことは良くある。私が、なんだか分からないで買ったり……買わなければならないことがあるが、それで、理屈もなく買ってしまうんですが、それが、何年も経つとたいへんな重要なことになる。これでみても、自分がやっているんじゃない、神様にやらされていることが良く分かる。ですから今度熱海の庭ができると、建物ということになって、この建物になると、すばらしいものができるんですから、たいへんな金がいるんです。ところが、そのときになれば、金は必ず入ると確信しています。そんなような具合で、そういういろいろな経綸はたいてい前から分かる。こういうような順になると見当がつく。それが、いま表面に現われ、具体的になるとすばらしいものです。

 今日の歌にもあるが、それが来年あたりから表面的に現われてくるような、ちょうど良いころになるわけですね。

 それから、かねて良く言ってある『文明の創造』ですね。あれも、約半分くらいできたんです。「医学篇」……「科学篇」の医学ですが、「科学篇」の中といっても、医学が主なものですが、それが完成した。いま「宗教篇」を書いている。最近ぼつぼつ読み始めましたが、「宗教篇」ができて、その次が「天国篇」というのができる。「天国篇」というのは、五六七の世のいろいろな構想ですね。政治、経済、教育、芸術……あらゆる方面の様相ですね。なかなか興味があることです。それで完結するんです。だいたい今年いっぱいくらいの予定です。それから、発表する方法は、そのときになると、いろいろできるだろうと思います。そういうような状態です。

 それから、いままで病貧争絶無の世界という主旨に従って、病気のことは遺憾なく知らしたつもりですが、それから、また、自然農法もですね。農業のほうもかなり、みんな分かっただろうと思うんです。これについても、最近発表したアメリカのロデールという人ですが、あの方から、つい二、三日前に手紙が来まして、自分の主義の共鳴者が日本にできたということは非常に喜ばしい。これから大いに提携してやりたい。というような、非常に希望にあふれた……そういう返事が来たんです。大いにこの農業革命ですね。これは世界的になっていくだろうと思ってますが、それで、日本だけにみても、今年あたりが、六四〇〇万石ですか……だいたいそのくらいの収穫はある。農林省で発表してます。ところが、日本で足りないのは二〇〇〇万石。二〇〇〇万石というのを外国から買うんです。たいへんな金です。何百億……一千億以上になるでしょう。すると、なによりこの解決が勝負の急所なんです。ところが自然農法で五年間続ければ、五割の増産は確実なんです。そうすると、六四〇〇万石で、五割増産になると、九六〇〇万石になるんですから、この五、六年間で、九六〇〇万石穫れるとすれば、いくら食ってもあまるわけです。あべこべに、輸出しなければならない。そんな結構なことが分かっているにかかわらず、それを実行させるのが大仕事です。それは、みなさんが大いに働かれるということより他にしようがない。

 最近、それについて、いろいろな理論や実際報告とかを一つの本にこしらえて、これを農業関係者に……政府は勿論ですが、各農会ですね。全国のそれに、ただで配ろうと思ってます。それで、一大世論ですね。農業講演会を開き、それを起して、早く分からせようという計画が、いまあるんです。それには、今年の収穫を発表したいと思って、材料としてね。というのは、年々肥料が抜けていくほど良くなるんですからね。今年はいままでより一番成績が良いはずですから、その成績を書き入れたほうが、大いに効果がある。一一月あたりになったらだいたい分かるでしょう。それしだいで、本を作って、いま言ったようにするつもりです。

 本当は医学のほうです。大いにそうしたいが、このほうは、農業のように容易にいかない。いろんな方面でたいへんな影響があるし、それでまた、日本ばかりじゃない。西洋医学はアメリカのほうでも一生懸命になっているんですから、これはそう軽々しくはできない。これは追々やることになっていることはみなさん知っている通りです。
 そこで、病貧争絶無の世界と言うと、病気は解決している。また食うものは充分穫れるが……それだけでも、だいたい農村は経済的に救われますからね。たくさん穫れるばかりでなく、肥料もいらないし、虫害、風水害は絶対に減るし大いに恵まれる。日本の農民は国民の七、八割を占めている。それが、懐があったかくなると、貧乏を解決する一番の根本原因になる。そこで唯一困るのは戦争です。「病貧争」の中の「争」の戦争です。戦争がなくならなければ駄目です。いま、世界中で一番恐れているのは戦争です。第三次戦争です。これを解決しなければならない。どうするかと言うと、立派に解決する方法がある。それをいま書いたんですよ。

(御論文「第三次戦争は免れる事が出来る」朗読)〔「著述篇」第九巻五二一-五二四頁〕

 いま読んだ通り、ずいぶん大きなことを言うわけですけれど、これについて、最近聞いたんですが、進駐軍関係のアメリカ人で、だいぶメシヤ教の研究をしている集まりがあるそうです。で、非常に共鳴と興味とを持って、こっちで発行したものを飜訳して研究しているんですが、おもしろいと思います。これを、もしアメリカあたりのニューヨーク方面にでも進出したら非常に良いと思います。いま言う通り、戦争は大浄化作用です。浄化作用ということは、いろんな罪穢れが溜まっている。世界的に溜まっている。そのお浄めですからね。だから、浄化作用が起らぬうちに、人間のほうできれいになってしまえば良い。というのは、人類の霊が浄まっていけば良い。そうすれば必要がないですからね。だいたい、人間が苦しむということは、苦しむべき種がある。種をなくすれば良い。だから、個人個人の魂の汚い所を取れば良い。そうすれば、戦争は起そうと思っても、起るものではないし、また、他で起そうとしても、なんとか故障が起ったり……いろいろして、起すことができない。起せるということは、浄化するだけの汚いものがあるからです。汚いものを取るという、それ以外に戦争の防止はない。それを知らないから、いまのところは、強力な武器を作って、戦争をしかける人たちを防がなければならない。これはしかたがない話です。それは結局、一時的で永遠に戦争をなくすることはできない。できないどころか、何年か何十年か後にはどうなるか分からない。それから、武器を大いに作ったところで、また相手も作るから、結局衝突する日が来るということにならないわけにはいかない。いままでの戦争でもみんなそうです。従って、共産国家のほうと自由国家のほうは、このままでいったら、どうしても衝突しなければならない。それをなくするのは、個人個人の魂を浄める。それには、力がなければならない。その力はメシヤ教より他にはない。だから、これはどんな大きな声をして世界中に呶鳴っても、なんら不思議はないんです。それで、ありのままというわけです。別に大きく言うわけではない。むしろ小さく言うくらいなんです。それで、これも大いに世界中の新聞とか雑誌とか、あるいは単行本とかによって世界中に宣伝したい。そういうようにするには金がいるから、ちょっとやそっとじゃなかなか追っつかない。そこで、そういう資金を神様のほうで、なんとか出してくれると思っている。ですから、それが手に入りしだい、世界的にやる。こんな意味です。

 それから、医学の革命もやろうと思っている。それが、だいたい来年あたりから手をつけるようなことになるだろうと思っている。まだ時間がありますからね。『文明の創造』中の「宗教篇」。それで話はちょっと元に戻るが、いま言ったような、世界的に大いに救うべき方法ですね。救わるべき原理ですね。それを頭に入れなければならない。というのは、『文明の創造』の著述ですから、世界的に宣伝するのは、ちょうどその本ができたころです。それが、たぶん……来年の予定ですが間違いないでしょう。それから「宗教篇」ですね。「宗教篇」というところで……結局、東洋は仏教、西洋はキリスト教ですが、キリスト教のほうは日本人どころじゃない。白人のほうで良く分かっている。ただ、キリストというのは、なぜ生まれたか、いったいキリストというのは、なんの御魂か、どういうわけで生まれたかということを書くつもりです。それだけで、そうよけいに書くことがない。ところが仏教のほうはなかなかあるんです。その中の仏教の起源ですね。いったい仏教は、神様のほうから言うと、どういうわけでできたかということを書いてありますが、仏教は日本でできた。日本人が仏教をつくった。日本に弘めるのは具合が悪いことがあったので、神様はインドに行かれて、仏教を始めたんです。それで、化身……化仏というわけですね。化仏というのは、日本の神様がインドに行って仏になったから化仏と言うので、それが本当です。

(御論文「仏教の起源」朗読)〔「著述篇」第一〇巻二八九-二九二頁〕

  「幽現」というのは「神幽現」と三つにならなければ本当じゃない。「神界」は分からない。「幽現」だけが分かっていた。ですから、お釈迦さんが説いたことは、地獄、極楽という、それから下で、それ以上の神界は説かないんですね。そこで「幽現」と書いたわけです。

(御論文「伊都能売神」「観世音菩薩」朗読)〔「著述篇」第一〇巻二九二-二九八頁〕

 こんな具合で「宗教篇」もまだいろいろあるんですが、いろいろ実際上のことを根拠として書いてありますから、信じやすいわけですね。

 最後に浄霊ですね。これは、いままで振ってましたが、これからはやめなくてはいけない。どうしても、こう(振る)すると力が入る。そこで、どうしても力が入らないようにするには、じっとしているんです。ですからそういうようにしてもらいたい。その代わり、じっとして……少しくらいは動かしてもいいが……だいたい原則としては動かさないということです。そうして、できるだけ力を入れないで、ぼやっとしているんです。ぴんとしない。これは逆ですからね。一生懸命に治そうとすると力が入る。ここのところを間違わないように。力を抜くことをやるように。そうすると、いままでよりか何倍も良くなる。そうすると、いまのお蔭話にあるが、一時間やったとか、二時間、三時間やったとかと言うあれは嘘です。あなた方がやっても、二〇分か三〇分くらいで治ります。

「『御教え集』二号、岡田茂吉全集講話篇第四巻p532」 昭和26年09月23日