昭和二十六年九月五日 『御教え集』二号 (5)

御伺い 私の次女J(三歳)は一カ月ほど前に下痢と高熱のため引きつけを起し二、三日おいて発熱、前後三回引きつけを起しました。その後一週間ほど四〇度前後の熱が続き、危篤状態に陥り、口から回虫を一匹あげました。そのころより熱は下がりましたが、変な目つきをするようになり、しきりに延髄付近をさすり、苦しいときにはゴロゴロ転がりまわっておりました。三年前主人の妹S(二四歳)は急性肋膜炎腸結核で三カ月ほど病み死亡いたしました。死亡前には目が吊り上がって顔は強張り、たいへん恐ろしい顔になり、本人は顔が顔がと無意識に言いながら頬をかきむしっておりましたが、そのような状態のまま二、三日で死亡いたしました。その日がちょうど、Sの姉の命日でした。Jもそのときと同様な顔をいたしますので、御浄霊に来ていた弟が、龍神が憑ったのではないかと申しますので、気がつきました。と申しますのは、私の家の祖父が本山よりいただいてきたという「九頭龍大神守護」(戸隠山八大龍王)という軸物を祀り、龍神を信仰し他人の歯痛を治しておりました。父も在世中まで祀っておりましたが、一二年前死亡してより祀っておりません。祖父は中風で死亡、父は脳溢血で、母は中風でそれぞれ死亡、またJの姉(K)は、三歳のとき腸炎で五年前に死亡しております。現在Jは御守護によりだいぶ快方に向かっておりますが、まだ足に力が入らずヨロヨロいたしております。Jの浄化と右の事項と、なにか霊的関係がございましょうか。また右軸物はいかがすればよろしいでしょうか。御神体はお祀りさせていただいております。

御垂示 九頭龍はいやしない。贋物です。これは嘘だ。

 最初はこの龍神らしいんですが……戸隠山は邪神がいるんです。私は七、八年前になりますがね……信州に行ったとき、戸隠山に参詣しようと思って行った。ところが、事情があってよそを通って行ってみたが、道が壊れて行けなかったことがあるが、神様から……まだ行っては早いからと思われたので止しましたが、そんなわけで、戸隠山はなかなか曰くがあるんです。だから、この龍神も良い働きはしないんです。ちょっとしたことで怨んだりします。最初はそれでしょう。そうして亡くなった霊が憑いたんでしょう。しかし、そんなことをいろいろと面倒ですからね。龍神の軸はどこにしまってる。

御伺い 二階の押し入れに入っていましたのを、いまは御神前の床の隅に置いております。

御垂示 それは、御神前をちょっと避けて、向かって右に台を置いて、その上に置く。そうして、光明如来様にお礼をした後で、ちょっと頭を下げる程度で良い。すると、喜んで……光明如来様の光を受けてだんだん改心します。それで良い。そうすると、子供のほうも良くなる。

「『御教え集』二号、岡田茂吉全集講話篇第四巻」 昭和26年09月05日