昭和二十六年九月五日 『御垂示録』二号 (10)

〔 質問者 〕新聞の論説に雄と雌というのが出ており、雄は左を上にして寝るとありましたが、われわれが手を握ります場合(組合わせる)は拇を右上のほうが気持ちが良いのですが、中には左上のほうが気持ちが良いと言う人もありますが。

 たいしたことはない。左ぎっちょと言う……あんなようなものです。すべて、左は男なんです。左が霊です。だから言霊から言っても……「ヒダリ」「ミギ」でしょう。「ミ」は体だからね。「ヒダリ」というのは「タリ」と言って「充分」ということですね。だから、霊がいっぱいだということですね。充実していることです。「ミギ」の「ギ」というのは、「技」ですね。だから、仕事には右の腕を使う。左は、使わずに隠居しているようだが……最も、上の人のほうが、あんまり労働しないですからね。それから、左進右退と言って、左が進み、右が退くということですね。一番分かるのは、炭団や団子を作るのにこう(左進右退)する。こう(右進左退)すると壊れますね。不思議ですね。理屈は同じですがこう(左進)やるとちゃんと丸くなるが、こう(右進)すると壊れる。右進左退は逆だから壊れる。破壊される。遠心的です。こう(左進)すると求心的です。求心的は寄ってくるんです。遠心的は離れるんです。それで求心的が「日」の働きなんです。「日」というのは「ヒク」というんですね。これは天理教でも言います。「月」は「ツク」と言って遠心的になります。それで破壊される。争いは「ツキ」「ツク」ですね。「ヒク」「引き寄せる」これが平和です。だから言霊と文字だけで解釈しても、ずいぶんいろいろなことが現われている。

「『御垂示録』二号、岡田茂吉全集講話篇第四巻」 昭和26年09月05日