昭和二十六年九月一日 『御垂示録』二号 (1)

 話の前に言いたいことは、『地上天国』や『栄光』に載せる寄書ですね。あれを少し変えてもらいたい。年中同じで、論文ばかりです。おもしろいかどうかは自分で考えてみても分かる。分かりきったことやまじめなことは、たまに少しは良いが、読む気にならないでしょう。どれもそうなのです。おもしろいこと、興味のあることをですね。と言うのはどういうことかと言うと、経験のあること……自分が感動したとか、危険に遭ったとか、戦争に行って危険なところを逃れたとか、滑稽なことでは、こういう滑稽なことがあったとか、あるいは借金ですね……こういう差し押えを受けようとして、税務署にこうされたとか……おもしろいですよ。恋愛でもよいです。女に想われて、ようやく……思いきったとかね。『地上天国』なんかこのごろおもしろくないでしょう。年中同じこと言っている。信者さんでも同じこと言っている。それから、このごろ座談会がありませんがね。座談会はいいですよ。農業のことはよくあったが、農業のことばかりではないですよ。浄霊のことでも良いし、地方的にどこが発展するとか、発展しないとか、こういう失敗があったとか、こういう御神徳があったとか、そういうのは良い。先にはちょいちょいあったが、このごろないですね。とにかく理屈はあんまり書かないで……理屈ばかりですからね。理屈はおもしろくないからね。私の理屈でたくさんです。理屈を書こうと思うから書けないんです。私の言った理屈を聞いてから書くので、私の言わないことは書けないんです。頭の置きどころが違う。生まれてからいままでに一番感動したこととか、よく雑誌なんかにありますね。実際に一番おもしろかったこと、苦しかったことをですね。それから土地でも……こういう変わった風俗があるとか、習慣があるとか、そういった意味の記事を出してもらいたい。それから和歌ですが、うまく書いてあるなら出してもよいが、まずいんです。そうかと言って訂していては暇がかかるんでね。それで、しようがないから没にしてしまうが、それより自分の感想でもいいです。こんなに思うとか、そんなふうにしてやるように。

  『笑の泉』は読むんでしょうね。あれは大いに結構なんです。あれは非常に教えがある。一言で言い表わす。一番良いのは「馬鹿野郎よく考えりゃ俺の事」これが一番いいです。

「『御垂示録』二号、岡田茂吉全集講話篇第四巻p118」 昭和26年09月01日