昭和二十六年八月八日 『御垂示録』一号(8)

〔 質問者 〕よく子供で音痴がございますが、霊的でしょうか。音痴とか調子はずれなのは。

 桁が違うんですね。いくつです。
  

〔 質問者 〕小学五、六年くらいです。

 大人でもありますね。つまり出そうという音声……出そうという弁ですね……喉ですね。それがふつうよりか、厚いとか薄いとか……食い違いですね。それからその神経のほうに意志通りに行くべきところに、故障がある。思い通りにそれがいかない……伝わらないというそんな原因です。浄霊すれば治ります。
  

〔 質問者 〕専門家によりますと、日本人は、目は外国人に較べて良いんだそうでございますが、聞くということが弱いというので……鑑賞ができないと言うのでございますが。

 鑑賞ができないのは教育のせいです。西洋人のほうが歴史的に音楽を聞くことが多いから、音楽を聞くということが楽しみですから、と言うのは、外出が多いからですね。日本人の昔は外出はあまりしなかった、というわけだから、向こうのほうが音楽に発達したというのです。社交的ですね。二つの理由があります。日本は封建的ですからね。三つあります。封建的で、一つは交際したり……四つ理由があるな。人と交際したり……仮に日本の女なんか……いまはでしゃばったりするが、ほとんど外出はしないからね。室内にいるからね。亭主は亭主で、つまり亭主関白でいばりきっているから、女房は小さくなっている。商人階級はそうでもないが、武士階級なんかは、親父はいばっていて、それで殿様の前じゃ口きかないで……窮屈です……すべてが。そこで、そういった音楽なんか特種階級に限られている。たまたま武士が音楽をやると謡曲かなにかでしょう。良い機会がないですからね。それから食物を考えなければ、……どうしても動物性の物を食うと活動的になりますから、じっとしていることができない。日本はどうしても昔から菜食が多かった。菜食をするとどうしてもおとなしく蟄居的になります。そういう食物の関係がありますね。それから名誉欲、優越欲そういうものが、唯物人種のほうが強いですからね。そういうわけで、音楽や芸能に、人に負けないものを作っている。だから偉い作曲者ができた。西洋はどんな作でも作曲者がある。日本の音楽……小唄なんかには作曲者がない。向こうの人間は肉食するので非常に知能的になる。いろいろ工夫する。つまり音楽を聞き、楽器、作曲などの工夫が発達する。日本は静的です。東洋は静かです。西洋は動的だから動くんですね。

 その点が芸術に対して影響しているわけです。これから日本も西洋風に近づく。現にそうなっているからね。そこで、最も動的なのはアメリカですね。アメリカを見れば、ヨーロッパは静的ですね。東洋はもっと動的になり、アメリカはもっと静的になる。総合芸術というものがこれから発達して行く。いままでいろんな色を作ったでしょう。今度はそのいろいろな色を混ぜて絵を画く。そう思えば一番分かる。

「『御垂示録』一号、岡田茂吉全集講話篇第四巻」 昭和26年08月08日