昭和二十六年八月八日 『御教え集』一号 (3)

御伺い 私は昭和二一年一二月御守りをいただき、二三年四月光明如来様を奉斎。種々の御守護をいただき信仰をさせていただいている者でございます。

 長女S(二五歳)が先にE家へ嫁ぎまして、婚家先の姑、夫とともに二三年五月入信させていただき信仰の生活をしておりましたが、その後主人が解らなくなり猛烈に反対するので、二年ほど中絶しておりましたところ、去る三月Sの子供が御浄化をいただきまして隣村T先生方で御浄霊をいただき、二週間にてよくなり、その後主人には内密で信仰をいたしておりました。

 去る四日午前一〇時ごろSがT先生方で御浄霊をいただいておりましたとき、 突然「俺の腹には、 大狸がいる」とか「狐が一匹出た」とか、その他いろいろ取るに足らぬことを連続的にしゃべり続けるようになりましたので、やむなく主人にも来てもらい、私も招かれて行ってともに御浄霊を続けさせていただきましたが、なかなか癒らず、また主人に対しては「俺と一緒に信仰しろ」とか、「御神体を奉斎してくれ」とか、なお「先々代の人が信仰した「南無妙法蓮華経」の御軸を返せ」とか、失礼な言葉で申して、このおしゃべりは一二時間くらい続いて少し鎮まりましたので、いったん家に連れて帰りました。そして翌日よりはだいぶ静かになりましたが、ときどき変なことを言っております。

 今後御浄霊をさせていただくにも主人が反対なので困りますが、御救いをいただくにはいかがいたしましたらよろしゅうございますか、御教示くださいませ。

御垂示 困りますね。これは、御主人が反対しているうちはすっかり治らないでしょうね。なにしろ一家の主人というものは、そこの家族なり家の全部の全権を握っているんですからね。ですから、風邪ひいたとか鼻の痛いとかは内緒で治りますが、これは霊的にもいろいろあり、祖先のうち……狐ですね。これは日蓮宗の狐ですよ。これがそうとう執着を持ってやっているから、こういうのはしかたがないから、そうとう行く所まで行かなければ駄目ですね。しかし信仰をやめるというわけにも行かないし困るのですよ。一家にそれだけのものがあるので、……メグリですね。これは、御主人は信仰しなくても良いから、ときどき教会に行くだけの許し……家の仕事に差し支えのない限り、教会に行く許しを得て、そうして神様にお願いしていると、御主人が信仰しなければならないようなことが起りますよ。御神体を奉斎していないね。やっぱり祖霊が、つまり狐や狸になって救われたいという点がありますね。それで、気をつけたいと言うので、困らせようと言う、……それがありますね。だから、内緒は……立派なことをするのに内緒はおもしろくない。ですから、それだけを許してもらい、よくお願いすると、きっと良くなりますよ。御主人も判りますよ。

「『御教え集』一号、岡田茂吉全集講話篇第四巻」 昭和26年08月08日