昭和二十六年八月八日 『御教え集』一号 (1)

御伺い 昭和二二年九月入信いたしました四〇歳の女でございますが、カリエスのため腰骨の屈伸が不自由で、カリエス特有の青白い皮膚をいたし全身やや腫みで浮いているようでございます。

 入信前数回の御浄霊でちょっと軽快になられ、入信後しばらく床も払って元気になっておられましたが、一昨年の春ふたたび御浄化が激しくなり、床に臥しておられましたが夜中突然右下腹部、鼠蹊部のすぐ上の辺に親指頭大の穴があき、ついで人差し指頭大の穴があき、現在に至るも間断なく粘い膿が吹き出しております。なお一昨年の御浄化より霊が浮くようになり、祖霊を始め他家の祖霊死霊に至るまで動物霊なども際限なく無数に御浄霊のたびに出てまいります。昨年ごろよりは祈祷者のごとく浄霊者の注文通りの人霊がいつでも浄霊を始めれば簡単に出てまいります。しかしこれは邪道とうけたまわっておりますので、いまでは本人ならびに家族にいっさいこの種の要求には応じないようにと注意して止めております。

 昨年までに本人夫婦ならびに 舅 夫婦の家族全部入信いたし別に一三歳と八歳の娘があります。

 御神体も一昨年より光明如来様をお祭りし、去る六月初め大光明如来様をお祭りさせていただきました。御屏風観音様もお祀りせられ御仏壇のほうにもお粗末はないように存じます。

 昭和二三年一月より翌年九月まで離れ座敷を教会として提供いたされ、現在まで熱心におすがりせられております。本人の罪は勿論、家の罪もそうとうあることとは存じますが、まれにみる大浄化でありますので、いつ果てるとも知れぬごとく見える現在、いかにすればよろしいでしょうか、お伺い申し上げます。

御垂示 やっぱり、その通り一家の罪がたくさんある。特にカリエスは……本にも書いてある通り……祖先の罪ですからね。罪があるから膿が出るので、一生涯出るわけではない。出るだけ出れば止まるから結構で、二年でも三年でも、ひどい人は五年くらい出る人がある。一樽一杯ではきかない。それから憑霊ですけれど、みんないけないわけではないのです。良いのもある。その見別けが難しいので、……だからしないだけが良いのではなく、するのが良いのでもない。理想は必要なだけが良いが、そうも行かない。ただ、あんまりしゃべりたいときは聞いてやっても良い。本物ばかりではなく、贋物があるからね。どうしても口をきいて出る場合は聞いてやると良い。それを贋物と思ってはいけない。本物と思って聞いてやる。仮に狐が出ると……「先祖の何々」と言うからそのまま聞いてやる。それで後で「先祖の何々」と言うのは「だれの時代か」「その時代の年号は」「なんで死んだ」「いくつで」「その時分はなんて名前ですか」……と聞いているときっとボロを出す。すると「それは判らない」「判らないはずはない。あなたは祖霊で、さっき、死んだ病気の名前を知っているくらいだから判らないはずはない」と言い出す。すると、尻尾を出し、「ああいけない」とか言い出す。なんでも信じてやるとかえって相手は暴露してくる。騙されたら騙されて結構。これはひとり憑霊ばかりではない。世の中のことでも騙したりするが騙されて結構です。騙されている中に気を許してはいけない。また騙しているやつはどこかに一貫していない。私の所へ来るやつも聞いているんです。その言葉の中に、なにか一つ嘘があるんです。憑霊のことでも、世の中のことでも、そのとき、こっちが先方を利用したりするようにする。

「『御教え集』一号、岡田茂吉全集講話篇第四巻p415」 昭和26年08月08日