御伺い 稲荷大明神また〇〇明神などと明神なる言葉を用いますが、明神について。また天王様、天神様とはいかなる御神格の神様でしょうか。
御垂示 明神――最初は偉い神様などにつけていたが、それがだんだんでたらめになった。こういうことが世の乱れる元になる。下の位の者が、上の位の神の名を犯したりしている。それが人間界へ移って位の上の人が下へ落ちたり、下の人が僭上の位置になったりいろいろ乱れた。
天王、天神も同様尊んだわけである。かの菅原道真を天神などとつけたのは、道真が死後讒者に対して憤り、龍神となり、雷火によってそれらを傷つけた。ついに紫宸殿へまで落雷したので慌てて祭ったので、そのため天神とつけたものであろう。
次に天王であるが、天はインド名で、毘沙門天、弁財天などといい、王もやはりインド語であり、孔雀明王、愛染明王などと言うそれから起ったものであろう。
「『教えの光』、岡田茂吉全集講話篇第五巻p302」 昭和26年05月20日