昭和二十六年四月二十五日 地天23 「教えの光」(15)

--私は一九歳のとき、村の方の所へ嫁ぎましたが、夫はすでに梅毒を患っており、私に染るのを恐れて一度も夫婦の交わりをいたしませず、毎日暗い日が続きましたので、堪えられなくなって、八カ月目に夫と姑が無理に頼んで止めるのをふりきって実家へ帰り、ただいまの夫の所へ嫁ぎました。そして昭和二三年一〇月入信させていただきました。夫はそのとき反対ではなく、また賛成でもなかったのでございますが、本家は反対でございました。それから一年あまり毎月姉の家で例祭のありますとき、お詣りし先生のお話を聞かせていただいておりました。去年の二月ごろから夫は、夜大きくうなされたり、悲しんだり、泣くようなことを申すようになり、また会社で「お前の女房は観音教の先生に瞞されている」と聞いて帰り、ぶつ、けるの乱暴をいたします。それでなくてさえ反対の本家は、もったいないことには私の御守り様を取り上げてしまい、父は焼いてやるとまでおっしゃったのでございます。その後本家の父と兄は赤痢になって入院、父は間もなく死亡など、次々と不幸が続いております。私の夫は固い律儀な人で、お仕事や言語には変わりございませんが、家では半気違いのようになって、自分で妄想を作り上げ、激しく責めたて、本当に人様に言えないようなこともございます。いくら話をしましても聞き入れもしません。帰れと申しますので、子供と別れて親の家へ帰っております。いかがいたしたら良いのでございましょうか。私の住んでいます家は夫の叔父に当たる方の家で、二人とも死んでおられませんが、生前よく男があるとかないとか、争っておられましたそうです。それから私が初めに嫁ぎました夫は、兄が亡くなって、兄嫁と一緒になり、男の子二人をもって幸せに暮らしています。

 最近本家の兄も弟(私の主人)の日ごとに募る狂態をいろいろ心配いたし、お道の先生とも話して救世教に対する認識も変えてくださったようで、まだ御守り様は主人が嫌うので返してもらえませんが、なんとか夫をもとのように返すにはいかがいたしたらよいでしょう。

 どうぞお導きくださいませ。

 これは霊的原因が大いにあるが、ちょっとここでは言えない。夫が帰れと言うのだから実家へ帰って、一生懸命信仰に励み、徳を積むことが最もよい。あなたが苦しむのは、あなたに罪があるのだから、徳を積んで罪を消すことである。消えただけは幸福になるのであるから、今後その方針で進み、後は神様にお任せすれば、必ずよくなるのである。次に反対者にはなんとかして、『栄光』か『地上天国』を読ませるようにするのが一番よい。

「『地上天国』二十三号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p」 昭和26年04月25日