--「桃の実」と「梅の実」とは霊的にどのような関係にございましょうか。御垂示謹んでお願い申し上げます。
梅の実は、花が五弁であるから五行、すなわち木火土金水の意味でもあり、また松竹梅の一つで、めでたい意味でもある。また兄の花といって、百花のうち一番先に咲くので、始めであり、春、すなわち天国の始めでもある。故に「散花結実」とは、梅のことをいうのである。大本教のお筆先の最初に「三千世界、一度に開く梅の花」ということがある。とにかくその花が散って実るのであるから、非常に神秘なものであるが、いずれもっと詳しく書くつもりである。
桃の実は、これもなかなか神秘があるもので、昔からの言い伝えに、西王母の園に三千年目に一つ成るという桃の実で非常に尊いものとなされている。その桃の実の力によって、結構な世の中ができるというのである。謡曲の西王母には、桃の実を君に献上するとあるが、この君とは伊邪諾伊邪冊の神様のことである。また桃太郎もこのことで鬼ケ島征伐とは、邪神を退治することで、宝物とは龍宮の乙姫様の持っていた宝である。また、『古事記』にある黄泉比良坂の戦いのとき、神軍が危ういので、伊邪諾尊が、桃の実を下されたので、それを投げつけたため、魔軍は敗退したとなっている。これももっと詳しく書きたいが、あまり長くなるから後に譲るとする。
「『地上天国』二十二号、岡田茂吉全集講話篇第五巻p」 昭和26年03月25日