昭和二十六年三月二十五日 地天22 「教えの光」(12)

--私の弟は昨年暮れ結核で死亡しましたが、生前考古学が好きで板碑(数百年前の石塔婆)や埴輪、土器などをたくさん蒐集いたしておりましたが、このようなものはいかが処分さしていただいたらよろしいものでしょうか、お伺い申し上げます。生前弟の勤めておりました学校で、歴史の資料にしたいから寄付してくれと申しますが、母が知らずにこの板碑を道路に敷きましたところ、腰部神経痛を起した経験などもございますので、ただいまのところ、寄付することも見合わせております。

 寄付するのは一番よろしい。なぜなればそれによって、考古学上稗益するからである。とすれば、蒐集したことも無駄ではなく、有意義となるから、弟さんの霊も、大いに満足するであろう。

「『地上天国』二十二号、岡田茂吉全集講話篇第五巻」 昭和26年03月25日